こんにちは、小夏です。最近、断捨離に目覚めたおとうさん、家の中でいらないものをいろいろと処分している。マンションなので、そんなに物入れスペースはないんだけど、詰められるだけ詰めていたから、奥の方からいろいろと不思議なものが出て来るみたい。
そんな不思議なものの一つが、鼓太郎のところに飾られていた。はじめの写真の真ん中くらいある黄色のだよ。チョコボって言うキャラクターだそうです（ゲームのファイナルファンタジーに登場）。
プルバック式のおもちゃらしい。プルバックというのは、接地面に軽く押し当てながら、後ろに引くと前に進むものだそうです。昔、流行ったチョロQと同じような仕組みみたいです。
でも、なんでこれを鼓太郎の所に飾るの？
「うん？小夏、ここ、ここ。ここを見てごらん、なんだかわかる？」
なんか鋭くえぐれたような跡があるね？チョコボの右手があるべき場所に穴が開いてる？右手がない？
壊れたおもちゃなの？
「このえぐれた後は、鼓太郎の牙で一撃された場所なんだよ」
えー、なんか鋭いもので、すぱっと抉りっとったように見えるけど、犬の歯でこんなこと可能なの。プラスチックって結構固いよね。
なんでも、このチョコボのおもちゃでおかあさんが鼓太郎と遊ぼうと、チョコボを床で走らせたら、鼓太郎がものすごい勢いで飛び掛かったそうです。
ガリッという音がして、おかあさん、おもちゃよりも鼓太郎がプラスチック片を呑み込んでないか心配になって、すぐ取り上げたんだけど、後で見るとこんな感じでチョコボの右頬が抉れてたんだって。
チョコボの右手は、くだけて床に散らばってたそうな。
ほんの一瞬だったらしいので、本当の一撃必殺だね。
鼓太郎の牙って、こんな凶暴な力があったんだね。ゾーッ！顎の力も若いころは強かったからね。こんな奴に咬み付かれたら大怪我しちゃうよ。あたしがお家に来る前のことだから、一番暴れん坊の時だ。
鼓太郎に咬み付かれなくて良かったよ。子供の頃、何度か鼻に皺よせてガウられたことがあったけど、あの時は危険だったんだ。でも、あたしは逃げ足早くて、鼓太郎が入り込めなかったソファーの下に隠れて身の安全を確保してた。鼓太郎が入れないのが分かってたから、そこから鼓太郎に向かって吠えてた。鼓太郎が手を突っ込んできたから、かぷっと咬み付いてやった。きゃん、とか言ってたよ。
その後も、あたしは一度も鼓太郎に噛まれたことはありません。シニア犬になった頃から、鼓太郎はどんどん穏やかになってった。あたしが強くなったせいもあるけど。
あたしが鼓太郎に咬み付いたこともあるけど・・・。
以前は、家中に鼓太郎の痕跡が残ってたけど、今はあんまり残ってない。だから、このチョコボのおもちゃを見つけて、懐かしくなって飾ったんだね。うん、気持ちわかるけど、それじゃ何時まで経っても断捨離は進まないね。
物や痕跡はなくなっても、想い出は残るんだから。
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