こんにちは、小夏です。カートのへりに手をかけ、少し身を乗り出し、あたしは何を眺めているのか？あまりとらない姿勢です。普段は、カートに乗っている時は、完全に沈没して寝てることが多いあたしなのに、今日はどうした？老犬らしい穏やかな表情がなかなか良いと誰もほめてくれないので、自分で言います。
カートの乗っている時は、いつもは、こんな感じ。敷いてあるペットシートをぐちゃぐちゃに丸めて枕にして寝てます。通りすがりの人が、何が入っているのかと、よく覗き込んでいく。覗き込まないと、中に何がいるのかわかんないよね。
でも今日は、立ち上がるほどに元気なんだね。桜の花でも咲けば、それをみようと立ち上がるかもしれないけど、どうしちゃった？桜の木の蕾は、まだまだ固い札幌の片田舎です。
でも、立ち上がると不安定で転落しそうで、ちょっと怖い。昔、どっかの柴犬はカートから飛び降りたり、転落してた。転落して犬の命の犬歯を欠いてしまってた。
「僕のこと言ってるの？」と一緒にカートに乗ってきた鼓太郎が言う。
そうだよ。だから鼓太郎はカートに乗っている時、暴れて外に飛び出さないようにドームのチャックを閉められたね。閉められると余計に暴れまくるので、すぐに地面に降ろされてた。晩年は、今のあたしと同じように寝てることが多かったね。
「小夏、オシッコしたいんだね？」と鼓太郎。ああ、そうか、そうだね。おとうさん気づいてくれるかな？早くしないと、中で漏らしちゃうよ。
でも心配は無用でした。オシッコというのはわからなかったみたいだけど、今にもカートから転げ落ちそうになってたので、慌てて地面に降ろしてくれました。
「カートの中にペットシートしてあるから、中でしても大丈夫だったんじゃないの」と鼓太郎。うん、でも、さっき丸めて枕にしてたから、役に立たないよ。
とりあえず、無事に小さなお仕事を地面の上でできました。今日も健康に一日が始まる。
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