桜を眺め、そして空に帰る

こんにちは、小夏です。昨日、二年ぶりに東京の片田舎の桜の名所、川沿いに長く伸びる桜並木の所へ行ってきました。鼓太郎は、行ったことがなかったので、携帯鼓太郎を伴ってです。残念ながら、花曇りとでいうか少し冴えないお天気だったけど、週末は人出が多くてなりそうなので、昨日にしました。


でも、お天気もそうだけど、桜の花もまだちょっと早かった。川の両側に桜並木なんだけど、片側が5分咲きにもなってないような感じ。何よりも寒い。

「うん、十分きれいだけど、確かに蕾が多いね」と鼓太郎。「僕、初めてだから期待しすぎてたかな」。

鼓太郎に見せたかったのは、満開の風景。400本の桜の木が咲き誇るとそれは見事なんだから。ちょっと残念。満開の時は、こんな感じです。二年前の写真だけど・・・。

見物に来ている人も、平日なのとお天気のせいか、それほど多くはありません。大部分がお年寄りというと怒られるから、年配の人。女性の方が圧倒的に多いね。携帯鼓太郎と記念写真撮ろうとカートに乗ってたら、ばあちゃん軍団に取り囲まれてしまった。

携帯鼓太郎を首にかけて記念写真。

「何才なの?」
「あら、だいぶ太り気味だね」
「きれいな毛並みだねー」

あたしに話しかけてくる人の、大部分が上の3つがその内容。年齢をこたえると、続けて長生き自慢が始まる。ばあちゃんたち自身の長生き自慢じゃなくて、昔一緒に暮らしてたワンの長生き自慢です。その話題になると、今日に限らず18才以上生きたっていう人が多い。みんな平均寿命以上だね。大事にしてもらってたんだね。

横で鼓太郎が、「僕は15歳と9ケ月だった・・・。大事にしてもらったけど・・・」と。うーん、でも平均寿命は越えたし、いろいろ楽しく暮らせたから良しとしようよ。今も、しょっちゅう、お家に帰ってきてるし。

しかし寒い。桜はまぁまぁきれいだけど、距離が長いなぁ。そろそろへばり気味。鼓太郎は、一人で先の方まで走って行って、Uターンを繰り返している。昔は、逆だったね。

そろそろ帰りますか。来週の半ばあたりが満開かもしれないから、日を改めてきましょうか。鼓太郎は、来週もまだいるんだよね?

「・・・、うーん、・・・」。

あれっ?帰んないと駄目なのかな?

最近、長い距離を歩くとお家に帰ってから爆睡です。とりあえず、朝昼兼用のご飯を食べたら、爆睡。夕方、起こされて夜散歩して晩御飯食べたらまた爆睡。

22時少し前に鼓太郎に起こされた。うん、どうしたの?
「小夏、僕、お空の上に戻るね」。
何?また、えらく急だね?
「今日は金曜日だし、もう少しで22時になるからさ。流石に4月までお家に居る訳にはいかないんだ」。
そうか、日付は違うけど、金曜日の22時に鼓太郎はお空に昇ってったんだね。
「おとうさんわかってたみたいで、今日、桜を見に連れて行ってくれたんだと思う」。
あ、そうなのかな。
「おとうさんとおかあさんよろしくね」。
うん、任せといて。今度帰ってこれるのは、鼓太郎の地上に誕生日の頃かな?
「またね」。

ふっと鼓太郎の気配が薄れていった。あたしの記憶もそのあたりで薄れていったから、再び爆睡したみたいです。

 

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