認知症は、何度か書きかけては、その都度途中で止めてしまった私的には重いテーマです。別ブログをご覧の方はご存知かと思いますが、わが家の鼓太郎は年老いてから認知症になってしまいました。正確な発症の時期は不明ですが、14才の終り頃から少し変だなと思う奇行が出るようになりました。それが認知症によるものとは当時は分かりもせず、また思ってもいませんでした。
記事内インデックス
認知症とは、その症状
発症の原因は不明、処置治療方法はない
鼓太郎の認知症
認知症は病気なのか、それとも老化の一症状なのか、どちらに分類されるのかは私にはわかりません。ただ言えることは、発症したワンにとっても、一緒に暮らす人間にも辛く大変な時間が続きます。
認知症とは、その症状
ワンの認知症も、人間の認知症と基本的に同じです。人間も犬も近年の長寿化に伴い、認知症が多くみられるようになりました。寿命の短い時には、発症する前に天寿を全うして目立たなかったのでしょう。認知症は長寿とトレードオフ関係にあるようです。
認知症は、脳細胞の機能低下によって、記憶や判断、理解といった認知機能に障害が起き、日常の生活が困難になる状態の総称です。それまでとは異なる行動、一種の奇行と映る行動が目立つことになります。認知症は、記憶の喪失とイメージされがちですが、記憶だけでなく理解力や判断力にも大きく影響してしまいます。
ワンの場合にもいろいろな症状があります。当然、個体差はありますが、下記のような症状を呈します。
・無駄吠えのなかったワンでも、夜鳴きがひどくなる
・徘徊歩行、旋回行動を続ける
・後ろに下がれなくなる
・食物への執着が強くなる
・ぼんやりとした視線になる
・なんとなく元気がなくなる
・物事への関心や反応が鈍くなる などなど
ただこうした症状も、認知症によるものなのか、老化によるものかは区別しにくいものです。
発症の原因は不明、処置治療方法はない
人間の場合、認知症はその原因から大きく三つに分類されます。ワンの場合も、基本的に同じです。
1. アルツハイマー型
認知症のうち最も多いとされています。
脳内にアミロイドβやタウタンパクという蛋白質が過剰にたまり、脳細胞を圧迫し、脳が萎縮して引き起こされると考えられています。
2. レビー小体型
アルツハイマー型に次いで多いとされています。
レビー小体という蛋白質が脳内に生じることで脳神経細胞が破壊され引き起こされます。
3. 脳血管性型
脳血管の障害(脳梗塞、脳出血など)により引き起こされるものです。
いずれの原因、タイプの認知症も、残念ながら根本的な治療方法は、現在のところ有りません。その進行を遅らせたり症状を緩和させるための薬物療法はあるようですが、効果は限定的なようです。
したがって、発症しないことが一番、発症しないために予防をすることが一番となってしまいます。しかし、この予防も決定力にはかけ、多くの品目をバランス良く取る食生活を若い時から続けることみたいな話になってしまいます。青魚系のDHAなども良く言われますが、実際のところはどうなんだろうかと思っています。ただ、予防と言うのは、そういうものですよね・・・。
わが家の鼓太郎は、子供の時から超偏食で食べれるものが限られていたので、バランスがものすごく悪い食生活でした。他の家の柴ワンは野菜なども良く食べているみたいですが、鼓太郎はきれいに、野菜を除けて食べていました。
青魚系も、食べなくはないものの、かなりムラのある食べ方で、気分が乗らない時はそっぽ向いてました。
鼓太郎が認知症になってから、遅ればせながら鼓太郎と小夏のご飯に青魚が増えましたが、あんまり食べずに鼓太郎は残していました。鼓太郎が残すと小夏が、鼓太郎の分も平らげてしまう・・・。そのせいか、小夏は15才を迎えた今も認知症の気配が見えないのは幸いです。
鼓太郎の認知症
認知症の始まりは、なかなか気づくことができないと思います。老化とともにやって来るので、「年を取って来たから、やむを得ないか」と思い込んでしまうためです。
わが家の鼓太郎の場合も、14才ころから体力がガクンと落ち、明らかに老化の段階に入ったことはわかりました。ぼんやりと、日向ぼっこしながら、窓の外を眺めている風景、とぼとぼ歩く風景。「ああ、だいぶ年取って来たなぁ」と少し寂しく思う程度でした。
考えてみれば、この頃、すでに狭い隙間に入り込んで身動きできずに固まっていることもあったのですが、若いころから狭いところに潜り込む癖があったので深く考えず、「はい、コタ、バックオーライ」と手を添えて後ろに動かして出していました。後じさりができないのも、老化するとこうなるんだろうな程度に考えていました。
でも、こうした行動が認知症の始まりだったのかもしれません。
狭いところに潜り込むのも段々とエスカレートし、どうやって潜り込んだんだと訝しむような場所にはまってたり、逆に何もない部屋の角(壁と壁の直角の角)に頭を押し付けて動けなくなっていたりと。そして、動けなくなると助けてとばかりに、大きな声で吠えるようになりました。
鼓太郎は、それまで殆ど吠えない子でした。若い時は、玄関のインターホンに反応していた時期もありましたが、一時的なものでした。しかし、この頃から、どこかにはまると、唸り始めて、そして大きな吠え声になっていました。
他には、盛んに食事台や水飲み台をひっくり返すようになったり、落ち着きなくうろうろと歩き回ることが増えてきます。トイレの失敗も出始めます。これは老化とはちょっと違うかなぁ?とこちらも思い始めます。
それから数か月。とうとう夜鳴きが始まります。昼夜の逆転も起きます。それまで、私のベッドの横に置いた鼓太郎のベッドで夜はゆっくり寝ていたのですが、自分のベッドに入らなくなります。誰もいなくなったリビングで、はぁはぁいいながら歩き回り、何故か深夜に限って、大きな声で夜鳴きします。かなり大きな声なので、マンション住まいのわが家的には隣室に迷惑かけてると、心配になるほどです。
うろうろと歩き回る徘徊行動も、次第に旋回行動と変わっていきます。同じところをぐるぐると延々と歩き続けます。流石になんだろうと気になりネットで調べると、「旋回行動はどちらか一方向に旋回する。旋回の方向で、脳腫瘍によるものか認知症によるものかの判断ができる」と出てきます。真偽のほどはわかりませんが、鼓太郎の旋回方向を確認して、脳腫瘍ではないと少し安堵しつつも、でも認知症なんだと落胆します。
一応、病院へ行き先生に相談。たぶん認知症であることは間違いないとのこと。しかし特に対処もないとのこと。薬はなくもないみたいでしたが、極力、薬出さない先生なので。
暗い気持ちにはなりましたが、少しでもお互いに快適に、これからも楽しく過ごしたいなぁと考えながら家路につきました。
発症に伴うさまざまな問題行動の悩みもありますが、記憶が失われていく認知症は、本人(ワン)と一緒に暮らす人にとって辛く悲しいものです。それまで長い時間を共にし、いろんな楽しい想い出が薄れていくのは、ワンにとっても人間にとっても、あまりにも哀しいことです。
想い出は消えても、鼓太郎は最後まで私のことを認識していてくれていたらと思いますが、実際にはどうだったんでしょう。
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