柴犬にとっての適正運動量

柴犬は、もともとを辿れば狩猟犬。その血を引く限りにおいて運動量は多く、室内犬として暮らしていても、野山への強い執着を持っています。家庭に入っても、散歩はもとより野山を駆け巡る本能は健在です。このため、ずっと家の中にいるとどんなに可愛がってもストレスと脂肪が溜まり、心身ともによろしくないようです。毎日の散歩、運動は欠かせません。

柴犬と暮らす上で、必要な運動を確保することを配慮しなければなりません。でも、どれくらいの運動が必要なのでしょうか?少し考えてみたいと思います。

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柴犬の適正運動量

日本の住環境と柴犬
わが家の場合


柴犬の適正運動量

初めて柴犬と暮らす時、どれくらいの運動が必要か判断がつきませんでした。ネットでみても、サイトごとに書いてある内容がバラバラ。でも共通しているのは、「柴犬は運動を好む犬種なので、散歩は毎日必ず連れていきましょう」と言う点。散歩が必須ということだけは、とりあえず理解していました。


でもよくわからないのが回数と一回当たりの時間です。回数については、一日二回とか三回。時間は、30分程度から1時間以上まで。

柴犬の適正な運動量はこれだ、とは言い切れないようです。性別、年齢、体格(体力)、性格など個体差があるので、当然と言えば当然です。個体と向き合いながら、必要な運動量を飼い主が判断してあげることが必要みたいです。

あまり疲れさせるほどの運動も問題ですし、逆に不足であれば、ストレスや問題行動を誘発しかねないので判断に悩むところです。あくまでも個人的な意見ですが、ある程度の成犬になっていて、人間の方に時間的余裕があるならば、柴犬に任せた運動量、散歩時間にするのも良いかもしれません。

2013年 左:鼓太郎13才 右:小夏9才 二匹とも右へ行ったり左へ行ったりで、リードが絡んでだんだん短くなる・・・。

わが家の二柴だけかもしれませんが、運動量が足りないときは自分でどんどん先へ進み、逆に十分であればくるっとUターンして勝手に家を目指します。でも、これは何度も散歩し、散歩道と自分のペースを理解してからのことでした。

子犬時代は、息遣いで判断してました。暑い夏場はよくわかりませんが、それ以外の季節であれば、舌を出してはぁはぁ言い始めたら、ほぼ十分な運動量が近づいていると判断していました。そこからUターンして家に戻ると、満足したような顔で昼寝(爆睡)してくれました。足りない時は、家に入れると家の中を暫く激しく走り回り、少し催促気な要求モードでした。

なお、散歩イコール運動とは限りません。妙にテンポよく小走りで歩くときもあれば、だらだら歩くときもあります。同じ距離を歩いても、これでは運動量は違うはずです。時間や回数だけに頼ると、十分な運動になっているかの判断は難しいです。

また加齢により体力の変化にも気を遣いたいところです。若犬時代と老犬時代の必要な運動量は全然違います。年をとっても体力を維持させようと運動させることは必要ですが、容易に回復しないような運動量にならないようにしましょう。やっぱり犬に聞くのが一番だと思うのですが・・・。

右:鼓太郎 左:小夏 お散歩の途中で食べるオヤツが、これまた美味し。

私は、犬が好きなように歩かせるのが好みですが、「散歩の時間や回数は、犬に合わせるのではなく、人間がコントロールしなければならない」という説明を目にすることがしばしばあります。確かに時間がない時などは、私も同じようにすることもありますが、基本は犬任せ。個人的な好みですが、お互いに信頼関係があれば任せてよいのではと思ってます。

躾面では、主従関係を作れないダメ飼い主ですかね?

日本の住環境と柴犬

現在の日本の住環境は、長くこの国に生きてきた柴犬をはじめとする日本犬には、少々暮らしにくいのかなと思います。

特に都市部においては、庭付きの一軒家の比率が下がり、マンションの比率が高くなっています。マンション住まいが一概に悪いわけではありませんが、どうしても一軒家に比べ、運動する機会が少なくなってしまいます。広いマンションで室内フリーにしていれば、一軒家で外飼いで係留されているよりも運動量は多いかもしれませんが、少なくともマンションには土の庭はありません。土の上を駆け回るなど、土に接することはできません。

現在の日本都市部の住環境は、柴犬にとってはあまり快適じゃないのかもしれません。柴犬には、山野の木立や草むらの中を駆け回りたいという願望、本能がDNAの中に潜んでいるのかと思ったりします。

2013年 左:鼓太郎 右:小夏 二匹一緒の散歩風景も今では懐かしい想い出。

柴犬は、日本犬の中で一番の小型犬ですが、それでもやはり狭いマンションで室内犬として暮らすにはやや大きめ。そういうこともあってか、愛玩犬サイズにしたマメシバ、極小シバ、小豆シバなどが2000年代になって増えたのかもしれません。都市部で小型の洋犬が目立つのは、同じような理由かと思います。

ペットショップで聞くと、「柴犬は室内犬でもOK、マンションでもOK」と回答が返って来ると思いますが、実際、柴犬自身はどう思っているのか聞きたくなります。

私は外飼いは反対ですが、できれば一軒家で自由に庭を遊ばせたかったのですが、甲斐性がなくて二柴にマンション住まいをさせてしまいました・・・。

わが家の場合

私は鼓太郎と暮らすのが初めての柴犬生活だったので、当初、運動量のことは全然わかりませんでした。ペットショップの店員さんが説明してくれた「一日最低二回の散歩、時間は短くても良いので20分から30分」に従っていました。

しかし、ワクチン接種が終わり、いざ鼓太郎と外を散歩を始めると何か物足りなさそう。初めて外に出て色んなものに興味が湧くのか、なかなか家に帰ろうとせず、家に戻ると暴れん坊ぶりを発揮する(散歩に関係なく、そういう個性だった?)ので、散歩を増し増しに。

結局、鼓太郎は、小夏が来るまでの4年間は、原則一日三回の散歩。朝昼晩。雨が降ろうが、雪が降ろうが、台風が来ようが、散歩の回数は維持してました。それぞれ小一時間から一時間半程度。朝は私が散歩に行き、昼と夜は家内が散歩。平日で時間のない朝は、私の都合で30分程度になります。土日は、長めの散歩、もしくは車で少し離れた公園などへ頻繁に行ってました。

小夏が来てからは、さすがに二匹を抱えてのマンション内移動が大変で(規約でマンション内はケージもしくは抱えての移動)、朝晩の二回になりました。お散歩命だった鼓太郎も、シニア犬の年齢に接近していたせいか、二回になっても特に不満を示すような行動もとらず問題ないように見えました。ただ朝晩の散歩の時間になると、じっとこちらを見つめ、散歩支度にとりかかるのを目で催促していました。一日二回の散歩は、鼓太郎にすると最低限の要求、権利だったようです。小夏は、鼓太郎ほどの散歩好きではなく、家の中でごろごろしているのが好きなので、一日二回の散歩で全く問題なしでした。

鼓太郎と小夏をマンション住まいにしてしまったのは可哀そうだったのかなとも考えたりします。加えて、通常の散歩コースはオールアスファルト。アスファルトの上ばかり歩くのは、味気ないみたいで、少しでも土のある所を見つけると走り寄ります。

土日に緑の多い公園や山へ連れて行くと、普段とは全然違う表情で、元気にあちこちを駆け回ります。なんとも言えない笑顔です。

2013年鼓太郎 いつもの散歩道でなく、山へ行くとご機嫌な笑顔を見せ、軽快に山道を登っていました。
2013年小夏 鼓太郎ほどではないにしても、山道が好き。先を行く鼓太郎のあとをちょこちょこと追いかけていました。

やはり、柴犬は野山を駆け巡るのが好きなんでしょうね。

 

一緒に長く楽しく過ごすためにも、適正な運動量を保ってあげましょう。マンション犬の柴犬の場合は、特に。

 


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