柴犬のタヌキ顔とキツネ顔

昔々、鼓太郎と暮らし始める前に、柴犬のことを色々と調べていると、「柴犬の顔は、タヌキ顔とキツネ顔のどちらか」という説明にぶつかることがありました。最近、あまりこうした説明を見聞きしませんが、今でもこんな感じで言うこともあるのでしょうか。


先日、小夏と散歩している時に、70代と思しきおばあちゃんが小夏の所に近づいてきて、撫でてくれながら、「この子は可愛いねぇ。柴犬でも、キツネみたいな顔した子がいるけど、あんまり好きじゃない。この子みたいに、まあるい顔の柴が可愛くていいよ」と言いました。
「いやー、こいつも若いころは細身で、顔も細くてキツネみたいだったんですよ。年取ってきてから太り始めて、顔も気づけばまあるくなってました」。
「あれ、顔がまあるい柴犬は、太った柴犬なのかね?この子は、うん、太ってるね。でも、これくらいの方が私は好きだな」。

こんな会話をしてて、そう言えば、以前、タヌキ顔とかキツネ顔とかいう言い方があったなと急に思い出し、この記事で取り上げてみました。

2015年鼓太郎 それほどタヌキ顔ではないと思いますが、目がどんぐり眼なので。

他の犬種で、こうした顔の特徴を大きく区分するように言うことはないと思います。あくまでも、個体としての違い、一頭ずつの顔の違いとして語られるだけです。なぜか柴犬だけ、タヌキとキツネのどちらかに大別するような言い方です。他の日本犬でも、顔つきの違いで、こうした区別したような言い方はないはず。少し不思議ですが、一方で少しおもしろい。

タヌキ顔とキツネ顔

タヌキ顔とキツネ顔とは、そもそもなんぞやという説明は必要ないと思います。そのまんまです。顔つきが、どちらかと言うとタヌキに似ているか、どちらかと言うとキツネに似ているかというだけです。あえて言うと次のような感じでしょうか?

タヌキ顔
・顔の輪郭が丸い
・目は、柴犬本来の切れ長、釣り目のアーモンドアイではなく、ぱっちり、少しどんぐり眼
・マズルが短め
・額トップ(マズルの付け根から頭頂にかけての角度)が深い

キツネ顔
・顔の輪郭が細長い
・目が典型的なアーモンドアイ、少し釣り目
・マズルが長め
・額トップが浅め

ただ思うのは、正面から柴犬の顔を見ている時と、横から見ている時で印象がだいぶ違います。正面から見るとタヌキ顔でも、横から見るとキツネ顔に見えることがあります。キツネ顔の場合は、正面から見ても横から見ても、あまり違いがなくて、やっぱりキツネ顔です。

日本犬保存会の日本犬スタンダードに照らすと、キツネ顔の方が日本犬スタンダードに近いようです。柴犬以外の日本犬を見ても、キツネ顔に該当する項目が多く感じます。タヌキ顔の柴犬については、「今風の柴犬の姿形」という説明を見た記憶もあります。長く血を引き継ぐ中で、ブリーダーさんや飼い主さんの志向で、そうした目がぱっちり系や丸顔への交配がされてきたのかなと思ったりします。

キツネ顔の柴犬の方が、日本犬の原種、オオカミに近いようです。確かに、柴犬の原種と言われている縄文柴は、オオカミっぽい風情を残しています。縄文柴でタヌキ顔だと、そもそも縄文柴だと誰も思いませんよね。

年齢と共に顔つきも変わる

やれタヌキ顔、やれキツネ顔と言っても、そもそもの疑問もあります。成長に応じて柴犬の顔はずいぶん変化します。成長の過程に応じて、タヌキ顔になったりキツネ顔になったりすると思います。

2015年小夏 安定のタヌキ顔

柴犬の幼犬時代は、キツネ顔の子はいません。ころころのぬいぐるみ、タヌキ顔です。それでも、生後二か月頃から、まんまるな顔が細長くなってややキツネ顔になって行きます。生後一年くらいで、成長はほぼ終わりになり若犬時代となりますので、この頃の顔つきを見て判断するのかと思います。この頃は、キツネ顔の柴が圧倒的だと思います。

その後も、若犬時代、シニア犬時代、老犬時代と表情は変わっていきます。やれタヌキ顔、やれキツネ顔と言っても余り意味がないように思ってます。あくまでも、その時々、その時点で、表情を見てどっちに似ているかというだけのことかと思ってます。

わが家の二柴

わが家の二柴ですが、鼓太郎は基本的にタヌキ顔の時代が長かったように思います。キツネ顔の時代は、1才頃から7才くらいまで。若犬時代ですね。シニア犬以降は、表情の角が取れたこともあり、少し肉が付いたこともあり、ややタヌキ顔っぽくなっていきました。

2015年鼓太郎 タヌキ顔っぽいとも言えなくはないですが、やっぱり柴犬顔です。

どんぐり眼系だったので、正面からの顔はタヌキ顔。でも横から見るとマズルが長い(標準範囲)のでタヌキっぽくは見えませんでした。

小夏は、シニア犬中盤過ぎまでは、かなりのキツネ顔。顔だけにとどまらず、尻尾が妙にキツネっぽかった。そのため、この子は柴犬ですか?疑惑がありました。

2005年小夏 満一歳の若犬時代

しかし、シニア以降、太り始めと共に顔が丸くなっていきます。頭蓋骨の形が変化したわけではないと思うので、顔や頭にも脂肪がついていったのか?同時に、それまでの釣り目がちだったアーモンドアイがどんぐり眼に。気付けば、鼓太郎以上にタヌキ顔になって現在に至ってます。

 


タヌキ顔にしても、キツネ顔にしても、結局のところ見る人の主観的判断です。私の結論的にはどちらでもない。柴犬は、やっぱり柴犬顔です。柴犬なんだけど、個体ごとに表情顔つきは異なるだけかと思ってます。それで良いではないかと思います。

それにしても、誰が、タヌキ顔とかキツネ顔とか言い始めたんでしょうね。きっと、一緒に暮らす柴犬の顔をじっと眺めながら、ああこの子はちょっとタヌキに似てるかも?少しキツネに似てるかも?と楽しみながら言い始めたのかなと思ったりしています。いずれにしても、それは愛情をもって、一緒に暮らす柴ワンを見た結果なんでしょうね。

 


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