言われなき誹謗中傷その2

前回に続き、あまり精神衛生上よろしくないテーマなので、今回を最後に当分書かないようにします。一年くらいして、また同じようなテーマで書いたときは、ご容赦ください。人間の記憶は、時折、消したい嫌な記憶をとどめさせようと逆流することがあるようです(専門家的な根拠はありません、勝手な思い込み)。前回同様に楽しくない話なので、気が進まない方は、ここでページを閉じてください。


私たちが今のマンションに入居し、二か月後、鼓太郎がわが家にやってきました。ペット可マンションだし、ペットに関わる規約をきちんと守って他の人に迷惑をかけなければ何の問題もないはず、と思ってました。

でも人間の認識や良識というのはずいぶんとバイアス(偏向)があります。

鼓太郎が来てから二年くらいたった時、マンションの管理組合から急に「ペット飼育者の会合」なるものの連絡がきました。何のことか要領を得ませんでしたが、私は都合付かず、家内に出席を頼みます。

2013年小夏 あたしも大人しいもんだよ。吠えたこと殆どないよ。誰にも迷惑かけてないよ。

帰ってきた家内に話を聞くと、「何かはっきりしないんだけど、ペットのことで揉めてるのかも?それで、管理組合とは別にペットの会みたいなものを作るらしい」。
「なにそれ?」
「よくわからない。説明も要領得ないし。とりあえず、ペットの会の会長と副会長だけ決まった」。
「ふーん、誰?」
「会長は、〇〇さん。副会長はうち」。
「えー、なんでそんなの引き受けたんだよ」。
「だって、誰も手上げないし、いつまでも決まらなくて嫌だったから、やりますって言ったの」。
「まぁ、仕方ないか。でも何すんだろ」。
「さあ?」
少々、嫌な感じがしました。何も落ち度ないはずですが、柴犬なのでマンションの中では目立つので・・・。

そして発足の日、みずから立候補して会長になった〇〇さんと気付けば副会長になっていた私とで会合に出席します。かいつまんで言うと、マンション内のペット飼育についてクレームが出ている、住民トラブルにならないように飼い主のマナー向上のためにペットの会を立ち上げたとのこと。

「管理組合がやるべき、対応すべきことなのではありませんか?」
「それは、もごもご・・・」
「???」
「そもそも、どんなクレームが出ているのですか?」
「ペットを共有部で歩かせているとか、鳴き声(吠え声)がうるさい、ウンチが敷地に落ちてた、などです」
「そうなんですか、日中、居ないので知りませんでした。少なくとも、家にいるときは気づかなかったなぁ。どこの家の犬猫のことを言ってるのですか?」
「そこまではわからない。そういうクレームが多いということです」
「はぁ?(何を言ってるんだ?)」
「それじゃあ、誰が言ってるんですか?その人に聞いてみないと・・・」
「いや、匿名なので」
「匿名って?何か投書みたいなものですか?マンション内の投書は記名式ですよね。匿名だと別に取り上げる必要はないんじゃないですか?」
「いや理事会でも、そういう話がでている」
「そう言ってる理事は誰?その人に聞いてみます。それからだね。誰ですか?」
「・・・」
「誰と言うわけじゃないの?じゃあ、次回の理事会に出席しますので、そこでお話を聞いてからということで、今日は終了ですね」
「いえ、・・・、掲示板の方で・・・」
「え、そんな貼り出し見た記憶ないけど」
「いや、玄関に設置している掲示板じゃなくて、ネット上の掲示板です」

ここで会長の〇〇さんが、掲示板のことを説明してくれました。マンションができた時、契約を欲しがったプロバイダーがマンションの契約者に限り無料で利用できる掲示板サービスを一緒に提供しているとのことでした。私は、引っ越す前からのプロバイダー契約があったので、そのプロバイダーとの契約もなく、当然、そんな閉ざされた掲示板が存在することも知りませんでした。アクセスも当然できません。

会長の〇〇さんは、そのプロバイダーで契約してて掲示板も見ていたそうです。その中で、ペットにするクレームに関する部分をプリントして持ってきていて、私に見せてくれました。確かに、5つくらいあります。他にもあるみたいでしたが、会長に聞くと主なものはこんなものとのこと。

見ると、明らかに他の人を煽動しようかというようなヒステリックな書き方。こんなの見たくないよー。また会長さん、それにいちいち反論してました・・・。ああ、知らないところで、こんな戦いが起きてたんだ、お疲れ様です・・・。

ぱらぱらと斜め読みした私、「これ全部匿名なんですね」。
「まぁ、掲示板だから」。
「で、これを真に受けて何かしないと駄目なんですか?なんか、あほくさい」と思わず暴言を吐く私。
「???」
「どこまで本当かわからないし。そもそも、これ書いてる人は全部同じ人ですよね」
「!?え!?」
「いや、想像ですが、文章がよく似ているし、句点を『、』じゃなくて『,』を使ってる。ものすごく犬嫌いの人が、実際に会った問題を脚色しながら、他の人に同意を求めるように煽ってるように勘ぐってしまいますよ」
「!!!」
「理事会でも同じような意見が多いのであれば、意外にも今の理事会メンバーですかねぇ?ペットのことを頻繁に言う人いるでしょ」と意地悪い言い方をする私。少し自己嫌悪。
「!!!」
「あー、掲示板のコメントの中に書き手のヒントありますよ。△△棟の低層階のペット飼育者のマナーがなってないって書いちゃってるねー。吠え声もうるさいって書いてもある。離れた階だとそんなに聞こえないですよ。だから書いた人も△△棟の低層階の住人の可能性高いですよね。そのあたりの住人で現在理事会のメンバーと言うと?誰ですか?該当者いますか?

2013年鼓太郎 枕好きで寝てばかり。若いころは見た目が少し怖そうだったけど、シニアになってからは優しい顔つきになりました。他人に迷惑はかけてないはずだけど、近づかれるのが嫌でその時だけ小さく唸ってました。

追求したかったのですが、このあたりで、会長の〇〇さんにちょんちょんと突っつかれます。

「とは言え、こういう意見の人もいるみたいだし、問題のある飼い主もいそうだから、お互いマナーを守って、こういうゴタゴタが起きないように努力はしたほうがいいですよ」と会長の〇〇さん。
確かに、問題ありそうな飼い主も心当たりがなくもない。こそこそクレームをつけるのも、問題飼い主も困ったものです。
「私には、言われなき誹謗中傷にしか思えないんだけどねぇ・・・。まぁ、〇〇さんの言うことももっともで、住民同士でもめるのはいやですよね。〇〇さんの意見に従いますよ」。

しかし掲示板での誹謗中傷、煽動というのにはあきれ返ってしまいました。少なくとも住民全員が閲覧でき、周知のことであれば良いのですが、住民の2、3割しか閲覧できない掲示板です。ずいぶん前の話なので、現在ならSNS経由になるのでしょうか。

その後、ペットの会は書き始めるときりがないくらいに紆余曲折で10数年。時折、ペットバッシングみたいな声もありましたが大きな問題になることもありませんでした。しかし、たまにバッシングの声が起き、呼び出されて会合にいくと、いつも同じ人が必ずその場にいることに気づきます。単なる偶然か?この人、△△棟の低層階の住人だ・・・。

そして数年前にその人が転居。その少し前にペットの会も自主的に解散していました(経緯、理由は割愛)。ペットの会を解散して、何か住民同士でトラブルが起きないか理事会も私も会長の〇〇さんも少し心配したそうですが、それから何年も経ちますが、何の問題も起きていません(耳に入らなくなっただけか?)。

ものすごく不思議です。でも、ものすごく平和な生活がそこから続いてます。


ペット可マンションであっても、いろいろとペットを巡って問題が起きることがあります。集合住宅である以上、人口密度は高い一方で住民意識のバイアスは大きな世界です。それだけに、一緒に暮らすペットに肩身の狭い思いをさせないために、せめて自分たちだけは守るべきルールは守らなければと思います。

人間とペットの共生、動物愛護法でも言われてますが、実現していくのは未だなかなか難しいようです。犬を家族として迎えた以上は、その家族を守るのは当然のことです。ただ単に犬と静かに一緒に暮らしたいだけなんですが。

 


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