鼓太郎と小夏と暮らし始めて、にぎにぎしくも、それでもふっと静かな時間が幸せに流れることがありました。ちょうど今頃の時分、秋から冬にかけお陽様が少し低いところに来る時期に、部屋の中に光が長く差し込み、陽だまりを作ってくれます。他の柴犬も同じだと思うのですが、鼓太郎も小夏もこの陽だまりでの昼寝が大好きでした。
決して大きくない陽だまりの中で、鼓太郎と小夏がひっついて昼寝する姿は、私にも何とも平和で幸せな気分を味わせてくれました。
特別仲良しという訳ではなかった鼓太郎と小夏ですが、陽だまりが小さいせいなのか、この時ばかりはぴったりと引っ付くのが常でした。でも、よくよく観察していると、まず鼓太郎が陽だまりのベストポジションを見付け、ひとりで寝始めます。すぐに爆睡モードに入るみたいで、その頃合いをみて、小夏が寄り添って寝始めることが多かったようです。
大喧嘩はあまりしませんでしたし、喧嘩になっても小夏の方が強いのでそんなに慎重になる必要ないはずだったのに、何故か、小夏は後から鼓太郎にそっと寄り添ってました。近づいて匂いを嗅ぎながら、それでも鼓太郎が起きない事を確認して横になると言う感じです。鼓太郎が気づくと逃げてしまうからというのが真相なんでしょうね。
鼓太郎は、小夏が先に寝ていると、そこがどんなに自分好みの陽だまり、場所であっても近づきません。少し離れた所で、少々恨めしそうな目をしながら、諦めて寝てました。
冒頭の写真は、「柴犬 鼓太郎と小夏の陽だまり」のタイトルで使っているものですが、この時も陽だまりで一人寝を楽しんでいた鼓太郎の所へ小夏が寄り添っていき、一緒に爆睡という感じでした。
でも、ちょっと続きがあります。
気持ちよく快眠をむさぼっていた鼓太郎ですが、何か違和感を感じ途中で目を覚まします。違和感の正体は小夏。鼓太郎を枕に利用して引っ付いて寝てます。
何とも、困ったような情けないような顔の鼓太郎です。動いて小夏が目を覚ましガウられたらどうしようと言わんばかりの顔で固まってます。「僕はどうすれば良いんでしょう?助けてください・・・」という感じの困ったような表情が鼓太郎らしいです。
きっと悩んだ末なんでしょうが、諦めてそのまま再度眠りにつきました。
小夏は、そんなことは気にも留めずに、無防備に目一杯に伸びきって寝てる・・・。
鼓太郎が空に昇った後、小夏は鼓太郎のかわりに私や家内を利用するようになりました。もともと、誰かに引っついて寝るのが好きな甘えん坊なのかもしれません。