マンションのペット飼育規定と柴犬

今の新築分譲マンションは、ペットと一緒に住める、ペット可のマンションが普通になっています。中古マンションでも、よほど築年数が古いものを除けば、多くの中古マンションがペット可になっています。しかし、だからと言って無条件にペットと一緒に暮らせるわけではありません。

どこのマンションでも、ペット飼育に関する規定があり、その規定によりある程度の飼育上の制限が設けられています。このペット飼育規定について、柴犬と一緒に暮らしたい側の目線で考えてみたいと思います。

記事内インデックス
ペット可マンションの基本的な考え方
最近の規定の傾向

ペット飼育規定の主な内容
柴犬暮らしの際に注意すべき条項

わが家が鼓太郎とマンション暮らしを始めたのは2000年のこと。その当時は、マンション犬の多くは超小型犬で、マンションで柴犬と暮らすのは珍しかったようです。それだけに意図せず、わが家は目立っていたようです。

ペット飼育規定は、管理規定の一種ですが、管理されているという意識だけでなく、楽しくワンと一緒に暮らせるために自分たちを守ってくれるものと考えた方が良いと思います。マンションの住人の中には、犬に対して友好的な方もいれば、そうでない方もいます。不要な軋轢を回避するためにも、まずは規定に反しないように、しっかりと規定を守ることは大切です。

ペット可マンションの基本的な考え方

鼓太郎 玄関マットがお気に入りでしたが、実際にはマットが好きと言うよりも、早く外に散歩に行きたくてここで催促していたのかもしれません。

ペット(犬)と一緒に暮らしたい人の発想としては、犬も人間も同じ。ペット可マンションであれば、誰に遠慮することなく自由に暮らせると考えるのが普通です。でも、残念ながらそうはいきません。

あくまでも、ペット可なのです。ペットと住むことも可能という意味です。つまり、あくまでも人間が住むのが前提であり、希望する人には規定に定められる内容に従えばペットと一緒に住むことも認めてあげますというだけです。

このため、ペットと一緒に住もうと意気込んで、飼育に関する規定を初めて見ると少々憮然としてしまいます。不快に感じるかもしれません。私はそうでした・・・。

ペットと暮らす際に申請をして承認が必要とか、飼育を差し止める(禁止)ことがあるとか、規定の条文中に見つけると、思わず嫌な気分になってしまいます。ペット可だからローンを組んで購入したマンションなのに、一緒に住めないと購入した意味は半減します。一緒に住めないなら、別にこのマンションは無理して買わなかった・・・。

冷静に考えれば、前述のようにマンションはあくまでも人間が中心で、希望する人には条件付きで飼育を認めるというだけなのですが、ペット(犬)と暮らしたいモードになってると、ここを勘違いしがちです。

最近の規定の傾向

小夏も玄関マットの上でよく寝転がっていました。マットや玄関が好きと言うよりも、ここで鼓太郎が寝っ転がっていたのを真似しているだけだったようです。鼓太郎がする色んなことを真似しながら成長しました。

比較の時期にもよりますが、最近の規定の内容傾向としては、以前よりも具体的で細かな内容になってきているようです。わが家が今のマンションで鼓太郎と暮らし始めたときの規定は条文で2つ、A4サイズの紙の半分くらいの分量しかなく大雑把なものでしたが、ずいぶんと細やかになったものです。

一時期、マンションの住み替えを考えた際に、住替え先候補としてピックアップしたいくつかのマンションからペット飼育に関する規定を取り寄せたことがあります。わが家においては、住替えの際は、当然、小夏が一緒に穏やかに暮らせるマンションであることが前提なので、マンションの立地や仕様よりも、ペット飼育規定の内容が第一になります。

取り寄せた規定をしげしげと眺めます。新築分譲から比較的新しめの中古マンションですが、どこの規定もその分量とこまごま内容に驚かされます。

マンションの規定の一つなのでやむを得ませんが、契約書的な文言でA4サイズ3枚くらいにびっちりと書き込まれています。うーむ、堅苦しい文書を読み進めるのは疲れる・・・。と、ボヤキたいところですが、読んで確認しない訳にはいきません。

我慢しながら読み進めると、こまごまと書かれていて、分量は多いのですが、どこのマンションの規定も似ていることに気づきます。何か枝葉の違いはありますが、妙に似通った内容に感じられます。

どうやら不動産業界で、モデル規定のようなものが共有され、それが下敷きになっているみたいです。

分量にぎょっとさせられましたが、わが家的には、格別驚くような、困ってしまうような内容は含まれていませんでした。とは言え、具体的にマンションでペットと暮らし始める前には必ず確認は必要です。不明な事は照会して確認するのがその後の暮らしを確実にしてくれます。

規定の主な内容

へそ天で爆睡中の小夏。何も警戒せず、安心して爆睡できる生活でなければ、幸せな一緒の暮らしはできません。

入手したペット規定、また以前今のマンションの管理組合の理事をやっていた時に入手した規定を見渡すと、どこのマンションのペット飼育規定も、おおむね次のような内容で構成されているようです。

1. 規定の目的、主旨
2. ペット飼育に関する管理方法、体制
3. 飼育の申請と承認
4. 飼育可の動物の種類やサイズ
5. 飼育者の管理
(飼育場所、衛生管理、共有部の通行、無駄吠え、トラブル回避)
6. 飼育の差し止め
7. 賠償責任

全体を眺めて思いますが、前述した基本的な考え方(姿勢)、つまりペット可マンションとはいえ、それを積極的にポジティブに歓迎しているという訳ではないという事に改めて気づかされます。あくまでも、条件付きでペットの飼育を認めるというスタンスです。

これは自然なんだろうか?と、ワンと一緒に住む私は、何か釈然としないものがあります。

規定の冒頭の主旨で動物愛護法を謳っているのですが、それ以降の内容とのギャップ感が大きい・・・。うーん。

もちろん、いろんなペット飼育者がいて、中には好ましくない飼育をする人が出る可能性もある以上、そこから生じうるトラブルを規制できるように、こうせざるを得ないのかとは思います。

ただ、善良な飼育者、ペットとただ楽しく幸せに、周りに迷惑をかけることなく暮らしたいと思っている人には、違和感を覚えることが多いような気がします。

少し考えすぎですか?

柴犬暮らしの際に注意すべき条項

規定にはいろいろなことが書かれていますが、経験上で、特に柴犬の場合注意すべきかと言う点を書いてみます。

柴犬の換毛の凄さは、一緒に暮らした方でないと理解できないかも。柴犬と室内、マンションで一緒に住む時の最大の難題は、この換毛のような気がします。これは換毛期の始まり頃なので、少量ですが・・・。

飼育可能なペットの種類
犬については、現在はどのペット可マンションでもOKとなっているはずです。一部、古いマンションで、猫は良いが犬はダメと言うのを見たことがあります。一応の確認はしておきましょう。

ペットのサイズ
ここは柴犬にとっては、少しきわどい部分になります。マンションごとの規約によって表現がかわります。
わが家のマンションの規約は、サイズを「小型犬に限る」と曖昧表現になっていますが、最近の規約ではもっと具体的に、体重10Kg以下または体長50cm以下などとの記載もあります。
ただ、体重や体長などについても、成犬時の予想標準体重や体長なのか、申請時の実測なのかまでは記載されていませんので、揉めるネタになる可能性はあります。
わが家は日本犬保存会の血統書に記載の「小型」を盾にしました。

飼育場所
住人の居室内に限るというものです。ベランダやバルコニー、ポーチなどでの飼育は不可という事です。
こちらに付いては、マンションに住まわれる方であれば、当然、室内で一緒に暮らそうとお考えかと思うので特に問題ないと思います。

共有部の通行方法
マンション内の共有部(廊下、玄関)を通行するときは、ケージやカート、あるいは抱えて移動すること。じかに廊下などを歩かせないということです。特に問題ないと思うのですが、たまに平気で歩かせている人がいて、揉めることがあります。
また、共有部の判断が難しく、マンションの外になる車寄せや駐車場などについても、議論になることもあります。敷地内は全部ダメというマンションもあります。

衛生管理
ペットの健康管理、清潔を心掛けるということです。
狂犬病予防注射、ワクチン接種、犬鑑札登録などのコピーを要求されることもあるようです。
糞尿の片づけ、臭いなどもここに関わります。また柴犬の最大の問題の抜け毛についてもこのあたりに関わってきます。ブラッシングやシャンプーをきちんと行い、抜け毛の飛散を防止してくださいということです。
ここは柴犬にはなかなか厳しいところです。どんなにちゃんとブラッシングを行い、掃除機で吸い取っても、抜け毛は私たちの衣服に紛れ込み、洗濯時に飛散してしまいます。大した量が飛散するわけではありませんが、気になる人は気になるみたいです。用心しなければなりません。

無駄吠え
柴犬は、もともとは無駄吠えが少ない犬種なので、あまり心配はないかと思います。ただ、きちんと散歩させたりしていないとストレスがかかり吠える犬になります。吠えるようになると、柴犬の体格なので低めの大きな声で苦情を受けることになりそうです。
朝晩の散歩を欠かさず、ストレスフリーの生活を送れば、無駄吠えはないとよく言われますが、実際の所はわかりません。わが家は鼓太郎も小夏もほぼ吠えることがありませんでした。鼓太郎が認知症になって夜泣きするようになった時は、上下左右のお宅に早々と説明に行き、容認してもらいました。

実際に柴犬と一緒に住む時には、いろいろと注意すべきことはあります。でも、基本は規定に書いてあるないかを問わず、いつも誠実に「他のお宅や犬嫌いの人にとってどうだろう?」と考え行動すれば、大きな問題にはなりません。

トラブルが発生しないように未然にどのようなことをすべきか。相手を尊重し慮ることが、幸せなワンと一緒のマンション暮らしにつながります。


マンションは、一戸建ての家と違い、住民間の物理的な距離が接近した住宅です(精神的な距離はむしろ遠めですが・・・)。それだけに、不要な近隣トラブルを回避するように規定があるわけです。万が一、トラブルが生じた時は飼い主にとっては防御の縦にもなれば、攻撃してくる相手にとっては武器にもなります。

規定は長い堅苦しい文章ですが、柴犬とマンションで暮らそうと思うならば、まずは一緒に住もうと思うマンションの規定を確認してみましょう。柴犬とマンション暮らしをしたいと住まいを探すのでしたら、マンションの仕様や場所などに加え、規定の確認もお忘れないように。

あなたと柴ワンの楽しい時間を得るために。

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