平和になったペット可マンション生活

わが家のあるマンションは、飼育規約はありますが、ペット可マンションです。わが家は、規約をきっちりと守っていた(と思ってる)ので大威張りで鼓太郎小夏と暮らしていたのですが、現実的にはそうも行かず嫌な思いをすることもありました。


わが家自体が問題になったことはありませんが(なかったと思ってますが、単に面と向かって言われていないだけで、知らないところで問題視されていたのかも)、マンション内で犬に対するバッシングのようなことも、たびたび起きていたというのが正直な所です。

しかし、ある時を境に、ピタッとペットに対するバッシング、誹謗中傷がなくなりました。少なくとも聞こえなくなりました。

その境目の時から、ペット特にワンと暮らす人たちにとって、平和なマンション生活が続いています。

マンション内を通行するときは、現在はバギー。それ以前は、私の手づくりのカート。このカートの入り口を開けると、散歩大好きの鼓太郎は自分で入り込んでました。閉じ込められるのが嫌いだったのに、散歩行くためならばと理解してたようです。

 

何が起きたのか?

問題行動をしていたとされるワン、その世帯が引っ越したのか?とも思いましたが、特に顔ぶれは変わっていません。確かに空の上に移住したワンはいましたが、移住したワンはどの子も良い子で大人しい子ばかり。どうも違うようです。

そんなある日、たまたまマンションの廊下でペットクラブの会長(わたしは副会長)に会い、立ち話。ペットクラブと言っても、マンション内のペットに関する苦情処理と攻撃ターゲットというのが実態・・・。

「最近、妙に平和だね~。何かクレーム入ってないの?」
「それが、まったく何もないんですよ。10年以上、頻繁にああだこうだと文句言われてたのに、不気味なくらい平和なんですよ」
「なんだろね?」
「あ、そう言えば。少し前に、例の方(わかりにくいので、以下Aさんとします)が引っ越したみたいですよ」
「そう言えば、最近は顔見てないな。まぁ、見たくもないけど」
「関係あるのかわかりませんが、その頃から、ペットに関するクレームが何もないんですよ」
「・・・、やっぱりかぁ」
「やっぱりですねぇ」

Aさんは、住んでいる間、ほぼ毎年のように管理組合・自治会の役員に立候補し、かつ理事長や会長を務めていた人です(立候補しないかぎり、10年に一度くらいの持ち回り)。そうしたこともあってか、ペットに関連して何か問題が起きるとペットクラブの会長と私はよく会合に呼びつけられていました。

Aさんは、理事長や会長でなかった時も、呼ばれて行くと、何故かいつもそこに居る。なんで今回もいるの?前回もいたよね?毎年、理事会か自治会の役員をしてるの?何か、こえーよ・・・。と、うんざりしながら、会長と顔を見合わせていました。

エレベーターの中でも暴れることなく、大人しくしています。鼓太郎は、他の住人に撫でられると暴れましたが・・・。

 

最後の対峙

そして、数年前、再び理事長になっていたAさんに、またまたペットクラブの会長と私は休日の朝早くから呼び出されます。マンション内のペットのことで話し合いをしたいとのこと。またですかぁと思いながら、対峙の時です。気が進みませんが、行かないわけにもいかず、二人で出向きます。少しテンション上げて。

席に着くやいなや、Aさんは開口一番、「私は、子供の時に犬に噛まれて、それ以来、犬が大嫌いだ」と言います。

はぁ?何を言い始めるのかしら?いきなりの戦闘モード?マンション内のペットについて話し合いたいということじゃなかったの?

何のこっちゃと思いつつ、とりあえず、「それは不幸でしたね。何十年前のことですか?」と白々しく返します。そんなことを言いたくて、せっかくの休日に人を呼びつけたの?

いきなり喧嘩を売られたような気分です。少なくとも建設的に話し合う気はないのね。いつもならすかさず反撃に出る私が憮然として黙っていると、会長が「大事な話って聞いてましたので、録音させてくださいね」とテーブルの上にボイスレコーダーを置きます。

おおっ、会長ナイス!以前は頼りなかったけど、成長したねぇ。まぁ、いつもいつもやられていれば、少しやりかえしたくなるよね。

「僕たちだれにも迷惑かけてないよね」「うん、だから胸張って今日もお散歩に行こう」

結局、なんだかよくわからない話でした。意味なく時間ばかりが過ぎます。だんだんイライラしてきて、「で、今日は何を話し合うんですか、何の話したいの」と言葉が尖り始めます。

どうやら再びというかAさんにしてみれば、マンションができて以来らしいが、ペットの問題、飼い主の問題があって気に入らない、ついては、規約やルールを強化して厳しく対応したいとのことのようでした。場合によっては、ペット飼育を禁止にしたいようなことを言い始めます。

しかもそれをペットクラブでやるように。おいおい、ただのボランティア組織に規約改定なんてできないよ。そもそも、そんなアホな考えに賛成できないし。

やるのであれば理事会。それも、総会での承認が必要な事項でしょうと言うと、少しひるんだAさん、「私の方でやらないと駄目なのか・・・」。

「そんな議案を総会に出すのですか?ここは、ペット可マンションとして売り出され、その条件でマンションを購入した人も多いのですよ」
「ペット可マンションというのは、マンション価値のプラスになっているはず」
「大きな問題は起きていない。単に犬嫌いの人が、騒いでいるだけでしょ」
「本当に問題があるのならば、理事長が直接、飼い主に対して指導することが規約に書いてある。実際に、誰にいつどのような指導をしたのですか?ボランティア組織の我々に押し付けるのは、あなたの責任転嫁でしょう」
「そもそも、我々の認識として問題は存在してないわけですし」
「もし、そんな議案が通れば、わからないけど私だったら、黙って出ていくか、裁判起こすかのどっちかしかない。たぶん、後者だと思いますけど(これは、会長が言いました。いつも弱腰だけど、今日は元気だ・・・。)」

話は物別れ。最後にイタチのすかしっぺのように、「あなた達は、何もやる気がないんですね。存在の意味ないですよね」とかいう。これには、会長が「ペットクラブの目的とも違うし、そんな権限はありません。何よりも賛成できないことを進める気はない。ペットクラブの意味がなければ、別に解散しても構いません。理事会とのおかしな二重構造になると住民も訳がわからなくなります」と言ってました。

何か、周期的に住みづらくなるような議論が湧きおこるのが不思議でした。

 

総会に議案として出すの?

その後、Aさんは議案を出そうと賛同者を得ようと色々と動いたみたいですが、周囲からの賛成を得られず、議案とはなりませんでした。マンション管理会社からも、初期規約からの不利益変更は、不利益を被る人が、万が一裁判などにしたら、まず勝ち目がないと言われたそうです。今の時代なので、動物愛護団体やネット(SNS)なども加わると収集がつかなくなる危険性があるとも言われたそうです。

ペットクラブの方も、結局、Aさんの理事会が思うようにやりたいようなので、果たすべきこともないし、設立趣旨と異なると判断し、解散しました。さっさと理事会に解散届を出しました。理事会の方は、かなり慌てたようですが・・・。

それでも総会の時、議案とは別に議長であるAさんはペットのことを問題だとしゃべり始めました(議長が議案にないことを出席者に同意を求めることは、それ自体問題でしょうが)。

しかし、そこでもやっぱり声の大きな住人(ペットは飼っていない人たち)に、「今、マンション内でペットの問題なんてないだろう」「問題、問題というが、どんな問題があって、どこの部屋のペットが問題なのか説明しろ」とか、「当マンションのペット管理は良好と言う評判で、他のマンションからノウハウを教えてほしいとやってきてるのに、なぜ?」と反論(総攻撃)されていました。

ペットを飼ってない人たちの正論が嬉しかった。

それが理由ではないのでしょうが、その後、Aさんは引っ越しました。

それから、ペットに関わる規約のマイナーな改定はありましたが、抽象的な表現を具体的にした程度で着地しました。その規約の部分的な改定を除くと、かってないほど平和な暮らしです。知る範囲で、理事会などでペットに関わる問題提起もないようです。

結局、長年、ペットを巡る議論は一人の方がもたらしたのかなと思わざるを得ません。


共同住宅なので、他の人に迷惑をかけるようなペット飼育は私も容認しません。でも好き嫌いの眼鏡で言われる誹謗中傷の類は無視です。たとえペットは苦手でも、このマンションの住民は冷静に公平な視点で考えてくれる人が多かったようです。

鼓太郎が空に昇ってからの話ですが、もう少し早く決着していれば、鼓太郎とももっと平和な時間を持てたのかなとも思います。今は、気持ち的に平和な暮らしが続いています。

 

蛇足ですが、何年も何年も理事会や自治会に特定の人が君臨するようなことは色々と弊害が生じる可能性があるとのことで、その後、留任年数の制限が規約に盛り込まれました。こちらは、総会議案ですんなりと可決されました・・・。

 


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