陽だまり風景03 冬の昼下がり

だんだんと冬へと向かい始めると、毎年のことながら、昼下がりになると冬のお日様が部屋の中に斜めに差し込むようになり、陽だまりができるようになります。少し眩しいものの、ぽかぽかと気持ちよく、陽だまりの中に座っていると睡魔が襲ってきます。少しうとうとしながら、この冬の陽だまりの中にいた鼓太郎の姿がよみがえります。


昼下がりの数時間、お天気の良い冬の陽には、この部屋に陽だまりができます。陽だまりができると、気づくといつもそこには丸まって寝ている鼓太郎がいました。特にシニア犬以降は、特に陽だまりで寝ることが増えました。

何んと言うこともない風景ですが、私には心安らかにゆっくりと時間が流れる懐かしい風景です。

鼓太郎 空気清浄機に寄りかかりながら、陽だまりの中で、すうすう寝続けます。

犬と言うものは、陽だまりで好んで昼寝をするもんだと思っていましたが、そうでもないみたいです。小夏は、自分から陽だまりを探してそこで昼寝することは昔も今もありません。

鼓太郎がいたときは、鼓太郎が寝ているところに引っ付きたくて(鼓太郎のお腹を枕にするのが好きだった)陽だまりの中で寝てましたが、鼓太郎が空に昇ってしまい自分一人になってからは陽だまりで寝ることはなくなりました。今では陽だまりのできるこの時期でも、日中は日が当たらない寝室へ行き、ベッドの上で小夏は昼寝します。たまに私が陽だまりで昼寝していると、いつの間にか私の横に来て寝ているようです。私は、昼寝する時の鼓太郎の代用品、枕の代用品みたいなものみたいです。

陽だまりで、鼓太郎や小夏と一緒に昼寝していると、ぽかぽか差し込む日差しで温まるせいか、鼓太郎や小夏の匂いが寝ている私の鼻をくすぐります。決して嫌な匂いじゃなく、ましてや獣臭でもなく、私に言わせると前にも書いたことありますが、日なたのかほりです。大げさですが、田舎生まれの私には、何か郷愁を誘うような懐かしいかほりです。

たまに寝言がうるさい時もありますが、すうすうと、どんな夢見ながら陽だまりで寝てたのか。半開きの口が少し不細工なのも懐かしい。

犬と一緒に暮らし始めるとき、何を期待しますか?既に一緒に暮らしている方は何を期待しましたか?

私は、こんな陽だまりの風景は考えもしなかったので、鼓太郎と小夏と暮らし始めて、初めて知った楽しみでした。ただただ、寝ているだけなのに、何故か幸せな気持ちにしてくれました。

太平洋側の冬の気候は2月頃まで、まだ続きます。暫くは、陽だまりの中で当時を思い出しながら私の昼寝の時間が長くなりそうです。

 

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