人間も同じですが、犬たちも成長に合わせ、その年齢・年代ごとに違う表情を見せてくれます。あくまでも個人的な見方ですが、柴犬の場合、4つくらいの時代に大きく分けられるかと思っています。
記事内インデックス
1. 幼犬(パピー)時代 ~6ケ月
2. 若犬時代 ~6歳くらい
3. シニア時代 ~12歳くらい
4. 老犬時代 12歳以降
どの時代でも、その時々で魅力的な表情と振る舞いを見せてくれ、素敵な時間を共にしてくれます。
1. 幼犬(パピー)時代 ~6ケ月
テレビや写真でよく見かけるまるまるとしてふわふわ短足の時代です。本当にこの時期の柴犬は、誰もを惹きつけます。動くぬいぐるみといった感じです。
でも実際にテレビや写真で見る生後間もない、この動くぬいぐるみ状態の柴犬を迎え入れることは殆ど無理です。ペットショップから迎え入れ可能なのは生後40日くらいが最短、ブリーダーさんから迎え入れる場合はブリーダーさんの考え方によりますが、もう少し長めで生後60日くらいからが多いようです。
何よりも、生まれて間もないこの時期は、母犬や兄弟犬との触れ合いを通じて子犬たちが社会性を学ぶ大切な時期です。短くても二か月くらいは母犬や兄弟犬と一緒の時間が必要です。考えれば当然のことです。
それでも、人間は勝手なもので(私も含めて)、動くぬいぐるみ状態の柴犬に引き寄せられ、一緒に暮らせないものかと考えます。諦めが悪いです。諦めの悪い人間をたくさん創り出すメディアのせい?
まんまる短足で、もこもこの柴犬がよちよち歩く姿はテレビや写真でと諦め、もう少し成長した柴犬パピーとの生活を選ぶしかありません。
わが家の鼓太郎は、生後60日くらいで迎え入れました。子犬は子犬ですが、テレビや写真のように、ぬいぐるみみたいな、よちよち状態ではありません。ぬいぐるみの雰囲気は残しつつも、それなりに俊敏に元気に駆け回っていました。
小夏は、それよりもずいぶん早い生後40日くらいで迎え入れました。ペットショップで初めてであった時は生後30日くらい。ずいぶん早くにお店に出されているなとその時思いました。そのせいか、鼓太郎を迎え入れた時との比較で、少し足元がおぼつかない、少しよちよちモードでした。その分、私たちには可愛いかったのですが、一方でずいぶん早く母犬から離され可哀そうと思い、そのせいかずいぶんと甘やかしてしまいました。
鼓太郎も小夏も、迎え入れたときはすでに耳はピンと立っていました。耳が寝ているのは、それよりも前の時期、生後30日未満なんでしょうね。
生後3ケ月を過ぎてくると、見た目は急に変わっていきます。体型もそうですが、何よりも表情が一気に変わっていきます。まんまるの顔が、マズルが伸びて細長くなっていく。耳が妙に長く延びる。成犬への変身途中で、全体のバランスがとれてません。たぶん生涯の中で柴犬のイメージと一番ずれる時期だと思います。
当時そうしたことを知らない私は、細長くなった鼓太郎の顔を眺め、「んー、鼓太郎は本当に柴犬なのかぁ?」と失礼なことを言ってました。(この頃のことを別記事「幼犬時代の成長スピード みったくない顔」に書いてます。)
小夏は、鼓太郎ほど極端に顔の変化がなかったような記憶がありますが、やはり丸かった顔が細長くなり始めます。鼓太郎で一度経験して私が慣れてしまい気づかなかったのかもしれません。
2. 若犬時代 ~6歳くらい
半年(6ケ月)も経つともうほぼ成犬の体格です。風貌も徐々に落ち着き、柴犬らしい表情になります。それでも成長過程なので、部分的に成長速度が違うみたいで、よく知る柴犬の見た目とは違う部分もあります。それが生後1年くらいまでの間に、だんだんと整っていき、ほぼ立派な若柴が登場します。
オスメスの違いはありますが、精悍な柴犬の表情を醸し出すのもこの頃です。性格的には、まだ子犬気分で甘えん坊ですが、見た目はシャープ。柴犬苦手な人にすると、この若犬の時期は怖いらしいです。きりっとした柴犬らしい表情、そして俊敏な動きなので、犬が苦手な人にすれば避けたいのでしょう。鼓太郎の場合は、凶暴な面もあったので、余計近寄りがたい雰囲気だったと思います。
小夏はこの頃は、二歳くらいまで暫くキツネ顔でした。成犬になっているはずですが、顔が細長い、耳が長い。体も首だけが妙に長い。なんか柴犬っぽくないバランスの悪い時間が続きました。「いつか美人さんになるよ」と小夏に言ってましたが、犬にしてみればどうでもよい事なんだと思います。その後、少しずつ落ち着いて柴犬らしくなるまでに、鼓太郎よりも時間がかかっりました。若犬時代の終わりころに体型や表情もバランス良くなっていきました。
その分、愛嬌がありました。誰にでも物怖じすることなく近づき遊んでもらい、「柴犬とは思えない人懐っこさ」とよく言われました。「女は愛嬌」を地で行ってたようです。
3. シニア時代 ~12歳くらい
シニア犬の定義はよくわかりませんが、ドッグフードなのでは6歳を過ぎるとシニア用フードへの切り替えを進めています。ですからシニア犬というのは、6歳以上なんだと思い込んでます。しかし、犬も長寿化が進んでいるので、いくらなんでもちょっと早いかなと思っていました。
ただ、体力的なピークはこのころからゆっくりと下降に向かい始めることは納得感があります。急激に落ちることはありませんが、ああピークは越えてるんだなと感じる程度です。人間も体力のピークは20台ですから、同じようなものです。
体の衰えは、本当にゆっくりゆっくりなので、日々それを感じることは殆どありません。
その一方で、性格は確実に穏やかに落ち着いたものになっていきます。同時に、表情も精悍さが消えて、だんだんと穏やかな表情へ。角が取れたような、少し悟ったような顔つきになっていきます。味のある表情とでも言いましょうか。子犬の時とも、若犬の時とも違う表情です。
子犬で迎え入れれば、すでに10年近くの長い年月を共に過ごしていることもあり、互いに少し年を取ったかなという表情を見やりながら、より愛おしく感じ、静かな時間が流れ始めるのがこの頃からです。
4. 老犬時代 12歳以降
12歳ころから体力の衰えを感じるようになります。表情も個体により違いはあると思いますが、毛が白くなってしまい、少し弛緩したような表情ながら、なんとも言えない愛嬌のある顔になります。若犬時代の精悍で少し荒々しい表情は遠い昔。その頃からすでに10年の月日が流れています。
老犬の表情もいいですよ。優しい表情で、こちらもほっとします。ちょっと表情が乏しいような気もしますが、今までころころと変わっていた表情が、穏やかに微笑んでいるように私には見えます。
体力が衰えてきて、それまでできたことが、できなくなりはじめるのもこの頃。自分でもいつものようにしようとしたことができなくなり、訳がわからず戸惑い、そして困ったような顔で助けを求めます。その戸惑って、困った顔を見るとこちらも少しうるっとしてしまいます。
急くことなく、ゆっくりゆっくりと一緒の時間を楽しもうなんて思わず言ってしまいます。
人間も成長に合わせて表情がかわります。犬も同じです。どの時代でも、パートナーのあなたを幸せな気分にしてくれます。
あっという間に過ぎ去った幼犬時代や若犬時代は、すでに遠い過去になり記憶も曖昧になったこともありますが、私は10歳ころからの穏やかな表情の時代が好きなのかもしれません。
みなさんは、どの年代の柴犬の顔が一番好きですか?