日本中のどの街にも、その土地土地の桜の名所があります。わが家が暮らす東京の片田舎でも、いくつか桜の名所があります。全国区ではないのでしょうが、周辺地域では多少知られているところです。
その中に、川沿いの遊歩道が結構な距離の桜並木になっている場所があります。桜の木の数は400本と言われており、地元では一番の桜の名所とも聞いてましたが、ここに移り住んで長くなっているのに、桜の季節はもとよりその場所へ一度も行ったことがありませんでした。
鼓太郎が空に昇った翌年、初めて小夏を伴い桜の見頃を狙って行きました。なかなか見事な桜並木です。桜の枝が川面へ向かってのび、桜の花を縫うように川面がのぞくといった風情です。都内の有名な目黒川の桜に勝るとも劣らない、というのは言い過ぎかもしれませんが、素直にそう思える素敵な風景です。
そうした中で一番人だかりのできていた場所で撮ったのが冒頭の写真です。人だかりが多いので、おそらくここが一番のポイントだろうと単純に思いましたが、へたくそカメラマンでも、それなりに見えるのはベストポイントのなせる業です。桜に感謝。
小夏も楽しかったようで笑顔です。桜を楽しんだのか、ただ知らない場所に初めて来たのが嬉しいのか、その点は不明。
日本の桜の名所の中には、桜と水が関連する場所が多いような気がしています。代表格は何といっても皇居のお堀端、千鳥ヶ淵公園などです。ゆっくりと流れる水面に散り始めた桜の花びらが、ひとひら、もうひとひらと散り、そしてゆっくりと流れてゆくのは日本人の情緒に合うのでしょうか。
ここの桜並木は延々と続くこともあり、当時13才だった小夏は、途中で少しバテ気味。それだけ長い並木道です。川の片側の道を並木道の端まで行き、そして反対側の道をまたゆっくりと戻る。私的には良い運動ですが、小夏的にはもういいですとばかりに、途中休憩が増えてしまいます。
ちょっと困ったような笑顔にも見えます。きっと困ってたんだろうな・・・。
そろそろ引き上げようかと言うときに、家内が小夏を抱え上げてツーショット写真。小夏は困るというよりも、はなはだ迷惑という表情を見せてくれます。これも良い思い出です。
これだけ見事な桜並木だと気づいていれば、鼓太郎が元気な時に来ればよかったと少し後悔しました。
今年は、この川沿いの桜並木を再び訪れてみましょうか。