ペット可マンションでも犬と暮らす世帯はマイノリティー

2013年(左)鼓太郎13才(右)小夏9才
マンション内移動用の手作りカートへ一緒に乗り、散歩へ出発

わが家のあるマンションは180世帯ほどの中規模マンションです。そのうちで、あくまでも申告ベースですが、犬もしくは猫を飼育しているのが2割強の世帯。犬猫の比率は、犬の方が少し多く、全世帯の中で犬と一緒に暮らしている世帯は1割強と推定できます。これは、マンションの管理会社から聞いた話ですが、他のペット可マンションもほぼ同じくらいだそうです。犬猫と一緒に暮らす世帯が3割までになるマンションは、まずないそうです。理由はわかりませんが、どこのマンションでも同じような比率に落ち着くのだそうです。

ネットで検索してみたら、住居形態を問わず(マンション、一軒家の合計)の数字でも、日本では12.8%(平成29年度ペットフード協会調べ)程度とのことでした。日本全体の母集団に対して、わが家のあるマンションも有効なサンプルになってるようです。でも、全世帯の1割ちょっとですと、犬と暮らす世帯は、はっきり言ってマイノリティーな存在。一軒家であればあまり問題ないのでしょうが、マンション暮らしの場合、マイノリティーは時として割を喰ってしまう可能性も否定できません。

 

マンション暮らしの方はご存知の通り、マンションにはそれぞれ住人が守るべきルール(規約)があります。この規約は、固定的なものでなく、住人の合意に基づいて変更可能です。住人の合意はどのようにされるかと言えば、管理組合などの総会で承認を得る必要があります。内容によって、全体の半数とか三分の二以上の賛成で変更となります。多数決です。このため、ペット飼育に関して締め付けを強化するような議案が出されると、マイノリティーな存在のペット飼育の居住者にとっては、不本意な結果を迎える可能性が生じてしまいます。

もちろん、これは極端なケースで、基本的に住人は大人ですが、極端なおかしな決議にはならないと思いますが、なくはないことです。犬猫が大っ嫌いという人がいて妙に声の大きな人だと、すこしやっかいなこともあるかもしれません。

そもそも住人の犬に対する肯定否定度は、次のような割合かと思います。

犬が好きで犬と暮らしている 10%
犬好きだが、犬とは暮らしていない 20%
好きでも嫌いでもない、どちらでも良い 40%
犬があまり好きではない 20%
犬が嫌い 10%

2005年(左)鼓太郎5才(右)小夏1才

昔、学生時代に数学で習った正規分布状態になります。好きでも嫌いでもない人たちを中心に左右対称のほぼ同数となると思います(あくまでもわが家のあるマンションですが)。ただ、好きでも嫌いでもない人たちは、決議の際にあまり積極的に関与しない傾向にあり、声の大きな方に誘導されがちになります。このため、ペット飼育に関してもネガティブな内容にも特に異を唱えずに、そのまま議案が通過することになります。最高裁の裁判官の国民審査みたいなものです。こうしたことがあるため、突け入れられるような隙を持たないことが大切です。現状の規約範囲を確実に守り、他の住人と良好な関係(少なくとも毛嫌いされない程度)を維持することです。

楽しみにしていた犬との暮らしが、周囲とのいざこざで楽しくないものになってしまうのは絶対避けましょう。せっかく迎え入れた犬が悲しい思いをすることのない、楽しい生活を送れるようにするのは、あなたの務めです。

なお、意に反して、規約変更などで犬との暮らしが難しくなった場合には、退去もしくは民事訴訟などしか手はないようです。訴訟は時間と費用がかかり現実的ではありませんが、多数決という安易な結論付けではありませんので、客観的論理的に判断され、入居時の規約や条件などに比較して住居者個人にとっての不利益な変更が認められれば無効となるようです。非がない限り訴訟では勝てそうに思えます。しかし、たとえそうした着地に至るようなマンションであれば、頑張って居続けるよりも、早めに出て別な暮らしをした方が良いと私は考えます。


ペット可マンションであることを販売時に謳うのは、販売上でプラスのようです。ただ販売者は、販売した後のことには関与しませんから、できるだけ買い手を見つけやすくする条件として入れてるだけかもしれません。本気でペット可を考えたマンションであれば、規約の整備はもとより、なんらかのペット向け設備を用意するはずです。ペット可マンションをお考えの方、規約や設備など条件をもう一度ご確認ください。

 


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