鼓太郎は寝言といびきの多い犬でした。毎日というわけではないのですが、それでも盛大にいびきをかいたり、寝言を言う日がありました。鼓太郎と暮らすまで、柴犬(他の犬も同じらしい)が寝言をいったり、いびきをかくとは全く知りませんでした。
それだけに、はじめて鼓太郎の寝言やいびきを聞いたときは、何だかわからず、何が起きたのか戸惑うと共に驚きでした。
いびき、それは深夜、突然聞こえてきた
鼓太郎は犬用ベッドにきれいに丸くなり寝るワンでした。小夏は、家に来たときにあまりにも哀れな声で夜鳴きするのが忍びなく、私のベッドの上に上げたのが大失敗で、今までずっと私のベッドの上で寝ています。自分のベッドと思い込んでいるようで、私が寝返り打ったりして小夏を蹴とばすと猛烈に怒ってました。
小夏のことはさておき、鼓太郎のベッドは、私の枕元か足元が定位置。私が寝る前にすでに丸まった鼓太郎が、すっぽりと収まり、気持ちよさそうに寝ていました。ワンの寝姿は、それを見る側を穏やかな気持ちにしてくれます。
しかし、ある日の深夜、突然に異音に目があきます。結構なボリューム。家の外が騒がしいのかと、寝ぼけ眼で窓から外を覗きます。外は静か、特に異常なし。でも、異音は安定的に続いてる。何だろうと、その音源を探します。どうやら私の枕元あたりが怪しい。
でも、そこにはベッドに丸まる鼓太郎しかいません。丸まって寝ていると、先入観からすやすや寝ていると思い込んでいたのですが、異音の元は鼓太郎以外に存在しません。それがいびきとは思わなかったので、試しに鼓太郎を軽くつついて起こします。
すると、異音がぴたっと止まります。はて?
自分も幻聴を聞くようになったか、・・・、と半分寝ぼけたままで、私も再び眠りに落ちます。鼓太郎も寝始めたみたい。それじゃあ、おやすみ。
しかし、30分もしないうちに、再びあの異音が。なんだなんだ。
そこでようやく気付きました。鼓太郎がいびきをかいて寝ている。それもかなりの音量で・・・。うるさくて寝れない・・・。
翌朝、家内にそのことを言うと、「うん、前からいびきかいてたよ」。知らなかったのは、私だけ?
そして、鼓太郎に向かい「鼓太郎のいびきは、おとうさんのいびきがうつったんだよね?」と。そうだろうか?
なお、いびきは疾患由来の物もあるそうです。あんまりいびきがひどい、無呼吸症的ないびきとかの時は、人間と同じくお医者さまにご相談ください。
鼓太郎は、いびきのことで病院には行きませんでした。他のワンもいびきをかくなんて知らなかったので、少し恥ずかしかった?
寝言
いびき以上に、驚いたのは寝言です。いびきもそうですが、それ以上にまさか寝言を言うとは思ってもいませんでした。
これも夜中。「あわわわー」。なんだ、何事?断続的に、「ふわわー」とか「がううう」とのうなり声。鼓太郎だ。具合が急に悪くなったのか?急いで明かりをつけます。手足をぴくぴくさせています。痙攣?これは大変だ。
とりあえず、意識があるか、鼓太郎を軽くゆすって見ます。あ、目を開けた。寝ぼけてはいるけど、しっかりした視線で一安心です。鼓太郎は、「どうしたの?」と言った表情で、不思議そうに私を見上げています。
引付などを起こしたわけではないみたいです。具合が悪そうにも見えないので、私も再び寝入りました。
翌朝、家内にそのことを言うと、「あれ?知らないの?鼓太郎は昼寝している時も、よく寝言を言ってるよ。その時その時でずいぶん違うんだけど、笑ってるような感じの時もあれば、悲鳴みたいなときもあるし、怒ってるような時もあるよ。あと寝言言わなくても、手と足を動かして走ってるような時もある」。
人間と同じように夢を見てるのかな。どんな夢なのか覗いてみたいです。
「人間でも、寝言いってるときに話し掛けちゃ駄目だって言うじゃない?だから、いつもそのままにしてるけど、別に具合悪い訳ではないみたい」。なるほど。
鼓太郎と一緒にいる時間が家内より短いので、知らないことが多いんだと、ちょっと悔しい気持ちでした。
小夏は、寝言を言うのは聞いたことがありません。いびきも以前はなかったはずですが、最近たまにいびきをかいていることがあります。年齢のせいなのか、それとも太りすぎで息のとおりが悪くなったのか。
でも、家内に言わせると、「小夏のは、いびきじゃなくって寝息だよ。ちょっと音の大きい寝息」とのこと。確かに、スースーとも聞こえるし、女の子(ばあちゃんだけど)だから、いびきって言わないようにしてます。
知っている人は全然当たり前なのでしょうが、犬がいびきや寝言を言う事を知らなかった私には驚きでした。初めて、ワンと暮らし始めた人は、異音に驚かないできください。生き物はみんないびきもかけば、寝言をいうみたいです。