一緒に暮らす犬もいつかは年老いてきます。人間と同じですが、加齢に伴い体力や体の機能が少しずつ衰え、それまで普通に出来ていたことでも出来なくなることが増えてしまいます。病気にもなりやすくなり、それまでとは違う不都合がいろいろと生じてきます。
普通にできていたことが、だんだんできなくなることは、犬にとってもストレスに違いありません。少しでも、それまでと同じように、少しでも快適に暮らさせてあげたいと誰もが考えます。それに呼応するかのように世の中には老犬向けにさまざまなグッズが増えてきました。
いろいろなグッズの中で、わが家的に便利だった、これは良かったというグッズのことを考えてみました。今回は、ドッグカート(エアバギー)のことを取り上げてみました。
ただ、良し悪しについては使い手の感覚的な個人差もありますし、犬の状態や年齢にもよります。あくまでも、私の個人的な感想です。
シニア犬から老犬に移る頃から、「いつか散歩に行けなくなる日がくるかもしれない、でもわが家の鼓太郎は散歩命の生活を送ってきていたので、散歩に行きたがるのは必至、その時はどうしようか」と考えていました。
そこで思いついたのがドッグカート。早速ネットで調べます。しかし、その当時(2010年頃)、柴犬が乗れるサイズのカートが見つかりません。たくさんの商品があるのですが、どれも小型な犬を想定した商品のようでした。
大きいのはないのかな?と探してると出てくるのは、大型犬の介護用のカート。かなりの大きさなので、逆に使いにくそうでした。確かに、鼓太郎と小夏が一緒にのっても余裕の大きさですが、狭いマンションで収納場所もなく、これは押す方も大変だよねと諦めます。
この当時のカートは、老犬用とか介護用という目的ではなかったように感じます。一種のおしゃれ感覚で、カートに小型犬を乗せて歩けるといった売りだったようです。今も基本は同じかもしれませんが、散歩してると歩けなくなった老犬を乗せて歩く人に出会う機会が増えました。
わが家的には目的が、とりあえずマンション内の移動と将来の老犬期の散歩用(介護用?)だったので、その目的にかなうものはないと思ってました。その頃は、まだ緊急性がなかったので、たまにペットショップで展示してあるのを見たり、店員さんをつかまえて「これ柴犬も乗れますか?」「耐荷重が10Kgなので少々無理があると思いますが・・・」「ですよね・・・」で終わっていました。
値段を見ても意外に高い。人間のベビーカートの方が安いものもたくさんあります。ベビーカートで転用できないかとか考えましたが、構造的に犬がすぐ飛び出しそうだったり、乗りにくそうなので却下していました。
そうこうしているうちに、偶然、ネットでエアバギー(商品名)を知りました。サイズも何種類かあり、小型犬とはありましたが、耐荷重が14Kg(15Kgだったか?)とのことで、鼓太郎と小夏でもOK。何よりもカートの車輪が、他のカートがプラスチックや硬質ゴムのと違って空気を入れるタイヤなのが気に入ります。空気を入れるタイヤの方が振動も少ないだろうし、カートを押すこちらにも楽に押すことができそうだ。
値段は、・・・、他のカートに比べると高いです。安いものに比べると倍以上。その分、作りもしっかりしていて、オシャレに見えました。これは、どこかで現物見ることできないかな?と調べましたが、当時はメーカーのお店が東京の中心部にしかありませんでした(代々木公園と代官山)。東京の片田舎に住むわが家には縁遠い、なんかおしゃれな場所・・・。これは、まさか柴犬を乗せること想定してないよなぁ、きっと・・・。と、そこでまた思考停止です。
そして数か月がたったころ、消費の早い鼓太郎と小夏のオヤツを買いにペットショップへ行った時のこと。店頭に、何やら大きめのカートが陳列されています。従来イメージのペットカートに比べて一回り大きく見えます。車輪もタイヤです。これはもしやと思い、近づいて見ると、それがエアバギーでした。
早速、店員さんに頼んで触らせてもらいます。本当は鼓太郎か小夏を試乗させたかったのですが、毛だらけにしちゃ商品価値なくなるので、そこは自制。
見た目とは裏腹に動きがものすごく軽い。ドーム(犬が乗る部分)もかなりゆったりしてます。鼓太郎、小夏でも問題ない広さです。店員さんに聞くと簡単に分解、組み立てができるとのことで、車に積んで出かけられそうです。
この頃は、正直、老犬介護用にという発想はあまりありませんでした。どちらかと言えば、マンション内の移動が目的でした。それまで使っていた手作りカート(台車にケージを括り付けたもの)がだいぶヘタってきて、移動するときがたがたとうるさくなってきており後継をどうしようかと困ってました。
エアバギーは、いろんな条件にマッチして気に入りましたが、問題は鼓太郎と小夏を一緒にのせることはできない。エアバギーにどちらかを乗せ、片方は抱っこして移動するしかないわけです。私は良いにしても、家内がどちらかを抱えカートを押すことできるのか?「どうかな?だっこして移動できる?」と家内に聞きます。
「大丈夫だよ。ここ暫くは、お手製のカートに二頭一緒に乗せてて楽だったけど、その前は、キャリーバッグに小夏を押し込んで肩にかけて、それで鼓太郎を抱っこしてたんだから」。
そうでした、数年前まで合計で25Kgを14階のわが家からマンションの1階までそうやって運んでいたんだ・・・。
そして、2014年5月の連休明け、わが家にエアバギーがやってきました。
その頃から、鼓太郎の歩き方がとぼとぼ歩きに変わってきて、長距離散歩が少し辛そうになってきていたこともエアバギーを迎えることを後押ししました。
結果的に、この時のタイミングがベストでした。これ以前だと、鼓太郎はエアバギーに乗ることを嫌がっただろうし、これより後だと、散歩に行くことを諦めていたかもしれないと思ってます。ちなみに鼓太郎は、この年はドームから何度か地面に向かって飛び降り、こちらを慌てさせます。高さ1メートルですが、着地を失敗して顔面から激突してから飛び降りることはしなくなりました。大事な犬歯が欠けた・・・。
2015年、鼓太郎が15才になったころからは、時折、散歩途中でカートを見上げて「乗せてください」ということもだんだん増えてきて、そのうちに地面に降りないで、カートのヘリに顎を乗せて流れる風景を眺めたり、カートの中で居眠りするようにもなって行きました。
それでも、外へ、散歩には行きたかったみたいで、カートが有ってよかったと思いました。犬が年取ると「歩けないから散歩にはもう行かない」という人がいます。でもどうなんでしょう?犬的には、やっぱり散歩には行きたいのではないでしょうか?外の日差しを浴びたり、風の匂いを嗅いだりしたいはずです。
わが家の鼓太郎は、ずっとお散歩命だったので、雨でも台風でも大雪でも散歩にいかないという選択はありません。年を取って歩けなくなったらというのは考えていませんでした。抱っこして散歩するのかなぁ、でも柴犬を抱っこしつづけて歩く腕力は自信ないとか漠然と思ってましたが、いざ歩くのが困難になった時はカート(エアバギー)の存在に本当に感謝しました。
以来、鼓太郎は最後の日までエアバギーにお世話になり、正確に言えば、空に昇った翌朝までエアバギーに乗って散歩に出かけました。
今は、小夏が受け継いで利用していますが、そろそろエアバギーの方もくたびれてきたみたいです。小夏のために、まだ当分頑張ってもらわねばと思ってます。
ランキング参加中!
にほんブログ村