鼓太郎の病歴 脊椎側彎症(せきちゅうそくわんしょう)

鼓太郎2000年9月頃 脊柱側彎症と診断されても普段の生活では元気いっぱいの暴れん坊

何かと手のかかる柴犬だった鼓太郎ですが、終生それほど大きな病気はしませんでした。成犬になってからは、病院が大嫌いで、大暴れするし、力も強いので、万が一病気になっても入院、ましてや手術は無理だと思ってました。


だから、鼓太郎には、「万が一、大きな病気になっても病院へ行けないので、その時は寿命と思って諦めてくれ」と言ってました。鼓太郎が理解したのかはわかりませんが、「はい、それで良いです」と返事したような気がしてました。

幸い大きな病気、重篤な病気になることなく一生を終えた鼓太郎ですが、いくつかの病歴があります。その中で、はじめての病歴で、なおかつ一番深刻だったのが幼犬期に診断された、脊柱側弯症です。

脊柱側彎症
人間にもある病気です。脊椎(背骨)は、体の正面や背面から見ると脊椎はまっすぐに伸びているのが正常な状態です。しかし、横方向に彎曲したり、ねじれている場合があり、これらが脊椎側彎症です。症状としては、外見的な問題や内臓への負担、痛みを伴い歩行が困難になることもあります。

鼓太郎は、はじめてのワクチン接種に行った動物病院で最初の健康診断を受けました。その時は寄生虫を除いて、特に問題ありませんでした。その後、私の背中をよじ登り、床の上に転落して担ぎ込んだ近所の別の病院で、院長先生が触診しながら「脊柱彎曲症みたいです」と言います。なんだそれ?

「背骨が曲がっている一種の先天的な奇形です。成長に伴って、見た目でも顕著になるかもしれません。また、神経を圧迫すると痛みが出たり、歩けなくなることもあります」。
なんか、深刻な内容です・・・。
「治療方法としては外科手術しかありません。手術しますか?」
まだ生まれて三ヶ月にも満たないのに、体にメス入れるのはあまりにも可哀想です。
私たちが返事に詰まってると、「今すぐでなくても大丈夫とは思うので、少し様子みますか。ただ、手術するなら早い方が良いです。今も歩き方が少し変かもしれませんけど、お気づきになりましたか?」
確かに鼓太郎は、歩くとき少し踊るように跳ねるように、お尻を振りながら歩いてました。
そのことを告げると、「たぶん間違いありません。成長に伴って、脊柱の状態がどうなっていくか、歩き方や生活の中で注意して見ていてください」とのことでした。

なんか、暗い気持ちになって病院を後にします。私の腕の中で抱っこされてる鼓太郎は、そんなことも知らずに、私の腕の中からなんとか脱走しようと、元気に暴れてました。

経過観察。

結論を言えば、手術は最後までしませんでした。特に生活に支障もなく、見た目でも気になるほどの大きな変化は出ませんでした。鼓太郎が痛がる様子もありません。ただ、歩き方は少しおかしかったと思います。特に4才くらいまでの若犬時代は、踊るように腰を左右に振るような歩き方でした。

男の子なのに、モンローウォークか・・・。

それでも、散歩が楽しくて喜んでるようにも見えたので、痛みがないならこのままで良しという選択をしました。このモンローウォークも年齢とともに段々と納まっていき、そのうちに気になるような歩き方ではなくなっていきました。

結果論ですが、慌てて手術をしなくて良かったと思ってます。


鼓太郎は、長時間、長距離の散歩も大好きな柴犬で生涯を終えることができました。空の上の鼓太郎に聞いてみると、「僕は病院は大嫌いだったし、死ぬまで体にメス入れないで過ごせて感謝」と言ってくれるかもしれません。そもそも、そんな病気だったことをずっと知らないままだったのかもしれません。

それも、幸せな一生だったと思ってます。


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