愛犬の老いに気が付くきっかけは色々です。その中で、なかなか気づかず、今になって、ああ、あれは老いの兆候だったんだと思うことがあります。それが、舌の力の低下です。
犬にとって舌は、言うまでもなく生命維持の飲食をするために大切なものです。水を飲むときも、単に水をなめるのではなく舌で掬い上げます。食物も舌で掬い上げて口に運びます。それだけに、少し大げさに言えば、舌の機能が低下すると、生存に関わってしまいます。
2014年4月頃 鼓太郎13才と10ケ月 ご飯はちゃんとたべるものの、お水は盛大にこぼすようになり食事台の近くにトイレシートを敷いていました。初めに気づいたのは、鼓太郎が14才になる頃でした。妙に食べ物の食べ方や飲み方が汚くなった。年齢的には老犬ですが、まだまだ元気と思っていたのが、食べ物や水をお皿から盛大にこぼす、食い散らかしたようにお皿にご飯が残る。舌の力が老化により弱くなるなどと考えてもいなかったので、理由もわからず、困っていました。
よく見ていると、お皿に歯がガチガチあたっています。初めは目や鼻が悪くなったのかと思いました。でも、よくよく見ているとそうではなく、ご飯を上手く舌で掬って口に運べていません。
それまで感心するほど、舌で器用にからめとっていたのですが、舌をつけても掬い上げれない。鼓太郎自体もイライラするのか、舌を使わずに口で直接ご飯を咥えようとして、前歯が皿の底にがちがち当たっていました。
以前は、お皿がぴかぴかになるほどに嘗め回していたのに、あちこちに食べ残しが残ります。
仕方がないので、しばらくはお皿を少し斜めに傾けてあげて、少しでも食べやすいようにしていました。少し傾けると角度がつくので、食べやすかったみたいです。
しかし、それもだんだんと時間経過とともに、やはり上手く食べれなくなります。私がドライフードなどご飯を手に掬って食べさせるようになります。
それもだんだん上手く食べれなくなります。さらにこの頃になると、認知症も出始めていたこともあり、私は何度も手のひらをドライフードと一緒に咬まれていました。上手くご飯が食べれないので、しっかりと咥えようとしてのことだと思うので怒るに怒れませんが、猛烈に痛い・・・。少し前まで、手のひらで食べさせる時に感じる舌の感触が気持ち良かったのに、この頃は痛い思いばかりです。
そして最後となったクリスマス。いつもクリスマスケーキを覆うセロファンに付いた生クリームをなめるのが鼓太郎の楽しみでしたが、最後のクリスマスの時には、セロファンをなめれなくなってました。じっとセロファンについた生クリームを見て、固まっています。
悲しそうに見えたので、私が指で生クリームを掬って舐めさせました。言うまでもありませんが、・・・、がっちりと指ごと咬まれました・・・。
小夏は、2019年5月末現在、15才まであと二か月ちょっと。同じ年齢だった時の鼓太郎よりも全然元気です。とは言え、ここの所、急に老け込んできたようにも感じてます。鼓太郎に比べ、二年ほど老化のスピードは遅いのですが、そろそろいろいろと気にかけてあげないと駄目かもしれません。
見ていると水の飲み方が変わってきた。それまで水飲みボウルの真ん中からで飲んでいたのが、ボウルの端に舌を押し当てるようになってきています。ご飯を食べるときも、食べ残しが皿の底に。舌の力が弱まってきたのかもしれません。
鼓太郎が私に色々教えてくれたことを、小夏に活かして、少しでも一緒に長く暮らしたいと思っています。