鼓太郎の病歴 前庭疾患

今からちょうど3年前、鼓太郎は前庭疾患になり、自力では立てなくなりました。既にその頃は、15才半の年齢になっており、数か月前から認知症の症状も顕著になっていましたが、それでも自分で自由に動き回っていました。しかし、前庭疾患となり、まっすぐに立つことはおろか、支えている手を離すと倒れるような状況になりました。

当初、老化が急に進んだのかとも思いましたが、そうではなく平衡感覚が保てなくなっていたのが原因のようです。

前庭疾患は、高齢犬によくみられる病気です。

前庭疾患の症状

前庭疾患には典型的な症状がみられます。他の病気や老化とも共通の症状もありますが、次のような症状のいくつかが顕著であれば前庭疾患を疑う必要があります。

・立てない、座れない、倒れる
自分の力では、ちゃんと立ったり座ったりできず、崩れるように倒れこみます。平衡感覚がダメージ受ける前庭疾患ゆえの症状です。
・斜頸
首を少し傾げたような姿勢になります。もともと首をかしげる可愛らしいしぐさをする犬の場合、勘違いしがちですが、他の症状と合わせて考えます。首を後ろ方向に反らせるよう姿勢も同じです。
・眼振
目玉が小刻みに揺れます。縦揺れ、横揺れがあり、病状によって揺れ方が違うそうです。じっと犬の目を見つめ、白目部分の動きを観察すると眼振の有無の確認が比較的容易です。
・旋回行動
同じ場所を一方向に回り続けます。認知症の症状と同じなため、旋回行動だけでは、どちらかの判断は難しいと思います。
・食欲不振、嘔吐、よだれ、元気がない
他の病気でも同じような症状が出るので、これだけでは前庭疾患かの症状か素人には判断できません。他の症状の有無と合わせて考えたほうが良いと思います。

前庭疾患の原因

前庭疾患は、前庭と呼ばれる耳の奥にある平衡感覚をコントロールする器官がダメージを受け、神経的な症状が現れた状態全般の総称です。

前庭には、末梢前庭と中枢前庭の2つがあります。

末梢前庭 内耳の三半規管と前庭神経(内耳神経)
中枢前庭 小脳、延髄など神経中枢部

発症する前庭疾患の多くは末梢前庭の疾患です。中枢前庭の疾患は稀ですが、病気としては重度となります。

主な原因としては、次のようなものがあげられます。
末梢前庭 中耳炎内耳炎、(老犬の)特発性前庭疾患
他に、内耳の腫瘍や外傷、先天性疾患
中枢前庭 外傷や出血、髄膜脳炎、腫瘍、脳梗塞など

わが家の鼓太郎の場合、若いころから外耳炎・中耳炎・内耳炎に悩まされ完治できずにいたので、そのあたりが原因のような気がしています。

治療方法

前庭疾患は、それぞれの原因に対し治療することで完治を目指します。内服薬による治療です。

しかしながら、老犬固有の特発性前庭疾患については、残念ながら原因を取り除く確固たる治療法はないようです。

ただし、老齢性の特発性前庭疾患に関しては、発症数日で改善がみられ数週間でよくなる症例も多いようです。実際に鼓太郎が前庭疾患を発症したとき、同じ病気の経験をされた方々から、その後、回復して元気にしているとのコメもいろいろいただきました。

確かに鼓太郎も、二週間ほどで、自力で立ち、歩けるように回復した時期がありました。

2016年1月 一時的に回復して自力で立ち、歩けるようになった鼓太郎を公園へ連れて行きました。ちょっと嬉しそうに、とぼとぼ歩いてました。これが最後の自分で歩いた公園散歩です・・・。

ただ、老齢で体力がすでに落ちていたためなのか、また二週間もたたずに再び立てなくなりましたが、それは前庭疾患の再発というよりも老化、老衰の過程だったのかと考えています。

わが家の鼓太郎の場合

2016年1月10日旧ブログ記事のリライトです。小夏のモノローグなので、文章のトーンがおかしい(?)のはご容赦ください。私にとっては、ちょっと暗い、辛い記事です・・・。


んーと、何から言えばよいのやら、わからないので、単刀直入に言うと、鼓太郎は、今、立てなくなっています。

1月8日の未明、午前3時頃から、鼓太郎はおかしくなってしまいました。

2016年1月小夏 鼓太郎が具合悪いと、何かを察してか小夏も静かなことが多かった・・・。

認知症のせいで継続している夜鳴きが始まり、おかあさんが寝かしつけにいったんだけど、何か何時もとは違う。暫く、撫でたり抱っこしたりとしていたんだけど、首が後ろに反りかえり、視線が怪しかったり、床の上をごろごろ転がったりとどうにもおかしいので、朝の4時頃におとうさんを起こしにいきました。

寝ぼけマナコのおとうさん、いつもと違う鼓太郎の状態に気がついたみたいでしたが、とりあえず後を引き取り、おかあさんは寝ます。

おとうさん、鼓太郎を抱っこしてはみたものの、首をぐるんぐるんと鼓太郎が振り回したり、手足がせわしなく空を掻く様子に困惑しっぱなし。

目を覗きこんでも、視線が合わない。どっか違う所を鼓太郎はじっと見つめてる。その間、10分置きにいつもの夜鳴きとはまったく違う声で吠えています。

それでも、1時間くらい抱っこしていると少し落ち着いたようで、ベッドに移すと、すうすう寝始めたそうです。お仕事のあるおとうさん、1時間くらいはまだ寝れるかとベッドへ行き、そして一時間後に起きだして鼓太郎を覗きこむと、大人しく寝ていたので一安心。

会社へ行く準備をして、「鼓太郎、鼓太郎」と呼ぶと、目を開けた鼓太郎が今度はおとうさんと視線を合わせることができました。なんか眠そうな顔だったので、おかあさんに引き継ぎ、おとうさんは会社へ。

これでいつものお家の生活に戻れば良かったんだけど、そう簡単にはいかない。

おかあさん、いつもと同じようにあたしと鼓太郎を連れて散歩へ。ここで、鼓太郎がまったく歩けない、いえ全く立てないことに気が付いた。夜中というか未明の時点では、立たせたりしてなかったので、ここで初めてわかったような次第。おとうさんも、おかあさんも前の日まで、それなりに自分で立ってうろうろ歩き回っていたので、こんなことは想像もしてなかったみたい。仕方ないよね。

おかあさん、困って動物病院の先生へ電話。診てみないと何とも言えないけど、脳梗塞の可能性も否定できないと、・・・。衝撃を受けます。

病院までは車でないといけない。車の運転できないおかあさん、悩みながらもその日は様子見。次の日に、おとうさんと一緒に病院へ行こうと決めて。

でもその日の夜中というか翌日の未明というか、またまた鼓太郎は大騒ぎです。

そして翌日、あたしだけお留守番で朝一番で動物病院へ。鼓太郎、やっぱり全然立てない。

先生、診察台じゃなくて床の上に鼓太郎を置くように言い、じっと観察。この間、鼓太郎エビ反り(首を大きく後ろに反り返らせる)、ごろごろ転がる。

先生すぐに「三半規管ですね」。病名は言わなかったけど、おとうさん勝手に「前庭疾患かぁ」と思ったそうです。

前庭疾患は、高齢の日本犬によくみられるそうです。平衡感覚をつかさどる三半規管が、なんらかの理由で機能不全になり、まっすぐ立てない、ふらつく、眼振、嘔吐などの症状を示すそうです。一種の船酔い状態みたいなものです。原因は一概には判断できないそうで、それゆえに根本的な治療方法もないとのこと。ケースによって違うそうです。

数日で回復することもあれば、そのまま寝たきりになってしまうこともあるそうです。

体力がなくなって来て、ここのところさらに痩せている鼓太郎みて、先生、注射とかしようとしない。このまま様子みましょうということになった。

ただ、これも老化なのかそれとも今回のことと関係するのか、急に口臭がきつくなり歯肉炎で歯茎が晴れていたので抗生物質を出してもらった。

この時、先生「飲ませられますか?」と聞いてきた。元気な時の鼓太郎の抵抗ぶりも良く知っている先生だけど、今回は違う意味で言ってたみたい。

おとうさんもおかあさんもがっくり。あたしもなんかがっくり。鼓太郎はぐったり・・・。

それでも数日、数週間で回復してくれることを期待して・・・。

やっぱり寝ていても、ちょっとげっそりしちゃってますね。頑張れ鼓太郎。

でも全然、何も食べないのが心配。あたしも食欲がなくなっちゃった。体力落ちて痩せちゃうのは、なんとか避けたい。

病院でついでに体重はかってもらったけど、ちゃんと診察台に乗って測れないので正確にはわからないけど、8Kgちょっとみたい。あー、この2ヶ月くらいで、また1Kg以上痩せてる。鼓太郎のピークの体重は14Kg近くだから、物凄く痩せた。というか、この1日で痩せたのかもしれない。

そろそろ日が暮れる。

昼間は寝てばかりだけど、夜はまた大変。おとうさん鼓太郎に一時間おきに呼ばれてた。

早く良くならないかなぁ。

鼓太郎が調子悪いとあたしもなんか変になってくる。

また、みんなで元気に公園へ散歩に行こうね。

 


にほんブログ村


人気ブログランキング

スポンサーリンク