くるんと巻いた尻尾。そのせいでお尻の穴が丸出しになっている柴犬。
どの柴犬も尻尾は同じかと言えば、その姿は全部違います。柴犬にはいろいろなチャームポイントがありますが、尻尾に魅了される人も多いはずです。
柴犬の尻尾
柴犬の尻尾には色々な形があります。全部で15種類あるとの説明を見ましたが、これは日本犬全体の話のようです。純粋に柴犬範囲(日本犬の中の小型犬)に限って言えばもう少し少ない8種類なのかなと私は思ってます。
尻尾は大きく二種類にまず分類されます。一つが巻尾(まきお)、もう一つが差尾(さしお)です。さらにその形状や向きなどによって、細分化されています。
1. 巻尾系の尻尾
左巻・右巻・左二重巻・右二重巻・車巻・半巻(全部で6種類)
柴犬に良く見られる巻尾は、くるんと丸まった尻尾です。この巻尾の中で、尻尾の左右の向きと巻き方の度合いにより、さらに6種類に分類されています。
尻尾の向きですが、右とか左とか言うのは、お尻の方から見て尻尾がどちらに傾いているかで右、左と言います。また、左右に偏らず、背中の真ん中に尻尾が位置しているものもあります。
左巻は、巻いた尻尾が左側に寄っているもの。右巻は、右側に寄っているものです。
また尻尾の巻きの度合いによって、一周以上まいていれば二重巻になります。この二重巻にもそれぞれ左、右があり、それぞれ左二重巻、右二重巻と呼ばれます。
これ以外に、尻尾の位置が右にも左にも寄っていない、背骨沿いの真ん中にあるものもあります。くるんと巻いているのが車巻、巻きがあまり強くなく尻尾が背中から少し離れているのが半巻です。
絵で書ければ良いのですが、上手く書けないのでご容赦を。
代わりに、表にしてみました。大体、こんなイメージで正しいかと思います。
私の理解としては、こんな感じで巻尾6種類が決まってるのかなと思ってます。
2. 差尾系の尻尾
差尾・背叩き ※太刀尾・薙刀尾・柳尾・牛蒡尾
差尾とは、尻尾が巻いていない、緩い反りのある尻尾です。差尾は、柴犬の場合は基本的に2種類です。他の日本犬に見られる種類や少数の柴犬が該当するのが4種類。これらを含めて広く考えると、差尾系も巻尾系と同じく6種類です。
尻尾の先っぽが頭の方を向いており、半円まで巻いていないのが差尾です。差尾の場合、尻尾は背中には触れていません。尻尾の先が背中に付いたものは、背叩きと言い区別されています。
この2種類が、柴犬のスタンダード範囲だそうです。
他の日本犬では、尻尾の先が天を向いた太刀尾、緩くやや後上方に向いたものを薙刀尾と言います。薙刀尾よりも角度が少し下向きになって、やや弓形のものを柳尾と言います。体の延長線上に細くまっすぐ伸びたものを牛蒡尾と言います。
なかなか、微妙な角度の違いで、識別するのは難しそうです。
なお他にも、巻尾でもなく差尾でもない、スタンダードには含まれていませんが、尻尾の短い系統があります。茶筅のように短く先太りした茶筅尾、先が丸まった株尾、極端に短い尻尾の無尾と言うそうです。私は、これら3種の尻尾の柴犬は見たことがありません。見たらちょっと違和感を感じるかもしれませんが、短い尻尾をころころ振ってくれると、それはきっと可愛いことと思います。一度、会ってみたいものです。
わが家の鼓太郎は右二重巻きに近かったと思います。しかし、鼓太郎の場合、巻きが非常に硬くて、二重どころか三重になってました。巻きが硬い分、遠目には尻尾が少し小さく見え(株尾?)、その代わりに巻貝のような高さがありました。この巻きが初めの頃は不思議で、「柴犬の尻尾って、こんなんだったかな?」と不自然に思えて、鼓太郎とじゃれるときに、すこしほぐして伸ばそうとしたことが何度もあります。でも、少しほどいても、手を離すとビヨーンと元に戻って丸まってしまいます。ゼンマイみたいな感じの尻尾でした。
この尻尾の形状のせいか、鼓太郎がしっぽを振るとなんか変な感じでした。ふりふり、とかパタパタというのが期待イメージですが、鼓太郎の場合、ぽてぽてと丸い塊が背中の上を転がるような動きでした。他の柴犬とちょっと違う。でも、可愛いんです。
ふんわりと巻いた尾ではなく、背中というかお尻の上に巻貝をのせたような感じで鎮座していました。家内は、よく「ウンチみたいな尻尾でしょ」と、色んな人に言ってました。
そんな頑固だった鼓太郎の尻尾ですが、老化とともにゼンマイの巻きが緩んで、尻尾の位置もだいぶ下がってしまいました。最後の数カ月は、ほどけてしまい、力なく下がっていたのが、寂しく感じつつ、私も覚悟してしまいました。
小夏は、今は差尾ですが、3,4年前までは背叩きでした。尻尾の先っぽが、背中に突き刺さっていました。おかげで、小夏の尻尾の先はいつも禿ちょろ。太くてふさふさの立派な尻尾だったのに、先っぽを見ると禿ちょろ。なんか変だなと思いつつ、背中に刺さった状態なので、他の人には見えないからいいやと思っていました。尻尾の刺さる背中のところも、穴が開いたようになってました・・・。
今は、尻尾の先が背中から少し浮き上がり始めて、背叩きから差尾に出世しました。先っぽの禿ちょろ、いまでは毛が生えそろい、そんな時代もあったと、少しこちらも懐かしい思いにとらわれます。
ただ、小夏の尻尾は、時代時代によって結構かわりました。柳尾や牛蒡尾のときもありました。何よりも柴犬らしくない、下にだらんと垂れた尻尾の時代が一番長かったような気がしています。太さは(もちろん、毛の問題ですが)立派なのに、下に向かって垂れ下がっている。本当に柴犬か?狐の尻尾みたいでした。
尻尾について、もう一つ気になっていることがあります。
鼓太郎も小夏も同じ赤柴ですが、尻尾の先端部分に白と黒の長い毛が生えています。よその柴犬も同じかなと思って覗きこもうとするのですが、なかなか見えにくい場所で、ほとんど見ることができません。どうなんだろう?みなさんのお家の柴ワンの先っちょはどうですか?白と黒の長い毛生えてませんか?
鼓太郎が空に登ったときに、この尻尾の先の白と黒の毛を少しだけ切らしてもらい遺髪(遺毛?)にしました・・・。
散歩のとき、私の前をいつも歩いていた鼓太郎。今も私の前を歩く小夏。私の目に入るのは、尻尾とお尻。毎日毎日、見ているのに、飽きることがありません。