鼓太郎の病歴 外耳炎

鼓太郎2002年12月頃 白黒に変換した写真しか残ってない。耳から顔にかけて掻いてます。

外耳炎は、耳が長く垂れているタイプの犬に多いと言われています。柴犬は、ピンと耳が立っているので、外耳炎など耳の疾患にはなりにくいとも言われています。柴犬の平均としてはそうかもしれませんが、実際には外耳炎など耳の疾患になる柴犬は結構多いようです。

比較的、重篤な病気ではないため軽視されがちですが、なかなか完治しないしつこい疾患です。わが家の鼓太郎は、ほぼ生涯にわたり外耳炎、耳の疾患で悩まされることになりました。小夏は、鼓太郎で私たちにも少し学習効果があったこともあり、早めの対応をしていたこともあり、あまりひどい症状を今日まで発することはありませんでした。


鼓太郎は二歳になった頃から、耳をよく気にするようになり、後ろ足でバリバリと耳を掻くようになってしまいました。時には、後ろ足を耳の穴に突っ込んで爪で引っ掻くようになこともあり、耳の中が赤くなって、少し出血していることもありました。耳に鼻を近づけると、だいぶ臭いことも・・・。しかも特に左のみみが痒かったようで、左の耳が立ち耳でなく横を向いてます。なんか、手旗信号状態になってます。

ネットで調べるとどうやら外耳炎のようでした。犬の耳の中は湿気があり、そこが雑菌の住処になりやすとのこと。確かに耳に指を突っ込むと、少し湿ったような感じで、人間の耳の中とは違います。どのようにすれば良いのだろう?とにかく耳の中を清潔にすることらしいので、とりあえずペットショップへ行き、売ってるイヤークリーナー(何種類か)を試します。でも、あまり効果なし。効果以上に、鼓太郎が耳を掃除されるのを嫌がり、物凄い抵抗をすることに辟易としてしまいました。

効果なく、相変わらず耳を痒がるので、件の動物病院へ。

この頃、治療内容を問わず病院で大暴れするように鼓太郎はなっていたので、私は肌の露出のない服で完全防備し、ついでにエリカラと口輪を持参して向かいます。この病院、鼓太郎を押さえつけるのは飼い主の役目と言う所で、私が押さえつけないと治療してくれませんでした(はじめての動物病院だったので、動物病院とはそう言うものかと思ってましたが、その後、違う病院へ変えたら、むしろ家族は出だししないでくださいと言われました。病院によって、ずいぶん違うようです・・・)。このため、肌が出ていると鼓太郎のオオカミ爪で、引っ掻き回されて、一面みみずばれのようになるので、完全防備で挑みます。

症状を説明して、先生、鼓太郎の耳の中を覗き込みます。その間、診察台の上で鼓太郎を私が羽交い絞めするように動けないように抑え、体を家内や看護師さんが押さえます。
先生は、ちょっと耳の中を覗き込んで、鉗子の先に何かをつけて耳の中へ。
「だいぶ汚れてますね、膿みたいになってるし、外耳炎だと思います。耳洗浄をしてから、化膿止めの注射もしますね」。
鉗子に脱脂綿を挟み、なんか水色の薬品に浸して、それから鼓太郎の耳の中に。結構、ずぼっと奥の方まで突っ込むみたいだけど、大丈夫か?

いやいや大丈夫なはずがない・・・。

鼓太郎「ギャウオーン!?◎▼×〇!!」

予想通りの大騒ぎです。耳の中に鉗子が入ってるので、暴れると傷がついてしまうと、私は必死に抑え込みます。鼓太郎も、何とか逃れようと必死です。結果、シャツ越しでも、鼓太郎のオオカミ爪が私の肌のあちこちに何本もの引っ掻き傷を作ってくれます・・・。

鉗子を引き抜くと、薬品で水色だった脱脂綿がどす黒い、紫色のどろどろに。何度か脱脂綿を取りかえ、繰り返します。あまり脱脂綿の水色が変わらなくなるまで繰り返して、おしまい。反対側の耳も同じくようにします。左側の方が特に汚かった。その後の注射も、また大騒ぎ。どこに、これだけの力があるのだろう?私も鼓太郎もへとへとになり、内服薬をもらい病院を出ます。また、薬が切れた頃に来るように言われます。

鼓太郎2002年12月頃 寝落ちする少し前。瞼が重い・・・。

家に戻り、鼓太郎は疲れたせいですぐ昼寝。痒がってはいないみたいです。その一方で、私はシャツを脱いでみると、腕や胸、首あたりに、鼓太郎がオオカミ爪で作った赤い線が何本も走ってます。少し出血しているところもあったので、消毒。あと、言い忘れてましたが、私は犬アレルギーがあるようで、毛や爪先が当たったところは、ぶつぶつと赤い湿疹が出来、痒くなります。少し腫れも出ていました。なんか、痛いやら痒いやらで・・・。

病院から戻って、二、三日の間は、鼓太郎も耳の調子もまぁまぁなようで、気にしていませんでしたが、日が経つにつれだんだん気にし始めて、そして後ろ足でまた耳を掻き始めるようになってしまいました。内服薬は、効かないみたいです。仕方なくまた病院へ。前と同じ大騒ぎの繰り返し。私、また傷だらけ。鼓太郎、息も絶え絶え。

何度か繰り返して、注射は一時的なものと判断。内服薬は、たぶんほとんど効き目なし。耳の洗浄液は、なんかよさげ。あの洗浄液、どこに売ってるんだろう?病院で分けてくれと言っても、連れて来てくださいといわれるのがオチ。あの洗浄液があれば、こまめに耳の中をふいてあげられるのに。ペットショップでは、売ってないだろうな?

後日、商品名がわかりました。薬用ノルバサンオチック

商品名が分かったきっかけは、ある時、違うペットショップでお手入れ用品のコーナーを見ると、水色の薬が並んでいます。これかな?でも病院で使う薬をペットショップで売ってるんだろうか?でも、液体の色は同じだよね。早速購入。その後、ネット通販でもあるのかなと検索すると、扱っている所は少ないものの、何件かヒット。ああ、これで痒がった時に家でもケアできる。

以来、鼓太郎が耳を痒がると病院に行かずに、家ですぐ洗浄。私が鼓太郎を押さえつけて、家内が耳の中を洗浄液のついたコットンで拭きます。コットンだけだと耳の襞の間とかが上手く拭ききれないので、綿棒に薬をしみこませて拭います。ただ、あまり深いところまでは、素人にはさすがに怖い。説明書に書いてある通りに、洗浄液を耳の中に流し込み、耳をもみます。コットンで拭きとりますが、奥に流れたものは、柴ドリルで鼓太郎に自分で出してもらいます。アルコール成分みたいなので、自然乾燥するようで、多少、耳の中に残ってても問題がないそうです。

相変わらず、私は体中にミミズ腫れと湿疹を作ってましたが・・・。

 

そうして何年か経過。痒がり始めたら洗浄でなんとしのいでいました。でも、洗浄液はやはり洗浄液です。耳の中を清潔にすることは出来ても、治すところまでは行きません。

その頃、いろいろあって、それまで通っていた動物病院から違う動物病院へ変えていました。思い切って新しい病院の先生に相談して診てもらいます。
「普段は、どのような手入れしてますか?」
「ノルバサンでやってます」。
「あれ、どこで手に入れてるんですか?」
「ネットで普通に売ってますよ。でも洗浄だけなんで、直るわけじゃないですよね?」
「塗り薬を出しますので、試してみてください」。
処方されたのが、小さなプラスチック瓶に入った黄色っぽい液体。家に帰ってからよく見ると、液体と言ってもゲル状でクリームに近いような感じでした。コットにそのクリームをとり、鼓太郎の耳の中を拭きます。この薬が、なんだかは知りませんが、ものすごくよく効きました。洗浄した後に、このクリーム。何回かすると、鼓太郎も全然、耳を気にすることもなくなりました。

私が嫌う、注射と内服薬はなし。その後、耳の調子が悪くなると、「あの黄色いオレンジ色の薬ください」と、この薬を出してもらい、比較的落ち着いた生活を続けることが出来ました。

あの薬はなんだったんだろう、一度、聞いておこうと思いつつ、小夏が耳に問題がないので、今日まで先生に聞いてもいません。

耳が痒いのは、犬にとってかなりのストレスになるようです。そんなに力一杯掻くなよと思いつつ、見ているこちらも辛くなります。

鼓太郎が空に昇った後、ノバルサンの在庫が二本くらいありました。特に耳を痒がらない小夏ですが、その後、たまに耳を拭いてあげると気持ち良さそうなので、在庫も何時しかなくなり、新しく購入しています。ただ、小夏は耳の中に洗浄液を注入させてくれないので(入れようとすると珍しく怒る)、コットンに浸して拭くだけです。それが気持ち良いようで、指をコットンでくるみ耳の穴に入れると、より奥に入れようと頭の重みを目一杯かけてきます。

柴犬のような立ち耳の犬でも、あまり汚れていないように見えても、定期的に洗浄してあげることが清潔に保つ秘訣で、疾患の予防にもなります。

 


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