鼓太郎を家に迎え入れる前に判断が付かず困ったこと、それが柴犬のサイズです。マンション住まいゆえに、「ペット飼育規定」なる規約があり、それに沿わない場合には、飼育できないわけです。これは、今も多くのペット可マンションでもほぼ同じかと思います。
大部分の規約条項は、居室内で飼育とか、ベランダでブラッシングするなとか、マンション内の移動は抱えるかゲージを使用ということで、飼育者が気をつければクリアできるものばかりでした。
問題なのが、「・・・、犬は抱えることのできる小型犬に限る」という条項。抱えることのできるについては、当時、私もまだ若く腕力には自信あったので問題なし。しかし、小型犬?小型犬とは、いったい何を指しているのか?具体的な犬種までは明記されていない(明記できないのでしょうが)ので、柴犬が小型犬なのか中型犬なのかわかりませんでした。
ペットショップに行くと、柴犬は小型犬という表示もあれば中型犬という表示もあり、いよいよ混乱。ペットフードや洋服のサイズ表記なども見てみると、メーカーさんによってまちまちの状態です。思うに、柴犬というのは小型犬の大きい方、中型犬の小さい方にどうやら位置づけられるようで、境目ラインの犬のようです。このことが、マンション住まいのわが家が最後まで悩ませてしまいました。
当時は極小犬という分類はなかった(たぶん)ので、チワワと柴犬が同じ分類というのもおかしな感じでした。また柴犬でも、ようやく豆柴という言葉が広がりつつあったような時分で、ましてや極小柴とか小豆柴とかは、言葉自体も存在していませんでした。
そんな折、仕事の昼休みにふと立ち寄った本屋で、犬の本を物色してると、柴犬の説明ページに「小型犬」の表記が(写真の左下部分にはっきりと表記されてます)。これは神の啓示ではないか、と真剣に思ったほどです。少なくとも、この本を持っていれば、マンション内で何か言われても対抗できるに違いない、と当時は思ってました。免罪符を手に入れたようなものです。この本は、鼓太郎が齧ったせいでボロボロになってますが、今もわが家に残ってます。
ということで柴犬を迎え入れることにほぼ決まり。よしんば、このサイズ問題で何かマンション内で言われた時は、「いやぁ、豆柴なんですけど、立派に成長しすぎて大きくなりました」と強弁しよう、腹を括ればいいやと決め込みました。
そして鼓太郎がわが家にやって来た。四年後に小夏もわが家にやって来た。
鼓太郎がやって来た一か月後くらいに日保(日本犬保存会)から血統書が送られてきましたが、よく見るとそこにはっきりと「小型 柴犬」と表示されていました。別に心配する必要はなかったようです。しかし、犬嫌いの人にしてみると、そうはいかないようで、柴犬は中型犬にしたいみたいです。犬嫌いの人にすると、シーズーくらいのサイズが限界みたいです。加えて、シーズーのような表情の犬であれば怖くはないようです。柴犬の顔は、犬らしいと思うのですが、それが犬嫌いの人には駄目らしいです。このため、トラブルではありませんが、マンション内で犬好きと犬嫌いとで多少の対立がその後あったことは否定できません。ほんの数人ですけど、妙に声の大きい犬嫌いがいたので・・・。
しかし、コーギーやビーグルは中型犬に分類されているようです。マンション内にもいましたが(みんな既に空の上に行きました・・・)、鼓太郎や小夏と比べてもむしろ小さく見えました。
結局のところ、小型犬、中型犬などの区別は、曖昧なおおまかなものに過ぎないようです。
ちなみに日本犬で考えると比較的この分類ははっきりしているようです。
大型犬 秋田犬
中型犬 甲斐犬、紀州犬、北海道犬など
小型犬 柴犬、豆柴
超小型犬 極小柴、小豆柴
こんな感じかと思います。日本犬の源流はたぶん中型犬なんでしょうね。
マンション住まいで柴犬と暮らしている方、ペットの飼育規定やサイズ規定で悩まされたことありませんか?次回から少し、ペット可マンションでの暮らしを振り返ってみようと思ってます。あくまでも柴犬の目線で。