2004年9月23日小夏がやって来た その1

(この記事は、鼓太郎と小夏の陽だまり 2014.9.23の記事を転載リライトしたものです。)

こんにちは、小夏です。ずっーと昔のことだけど、記憶を辿りながらでも、初めてお家のみんなと出会った時のことは、記録として残しておこうと思いました。あたしも、何時ボケちゃうかわからないから、その時、大切な思い出がなくなるのは悲しい。大事に憶えておきたい事だから。

あたしは今をさかのぼること2004年の秋分の日に、今のお家にやってきました。その前は、仮住まいだけど、某ホームセンターの隅っこにあるペットコーナーのゲージ(ショーケース?)の中で寝ていた、…、らしい。
始まりは、2004年の9月の敬老の日。

おとうさんとおかあさん、そして鼓太郎は、消費の早い鼓太郎のオヤツを買いにあたしの居るこのホームセンターへ連れ立って来ました。
ペットを載せても良いカートに鼓太郎を乗せ、欲しがるオヤツをたくさんカートに入れると、いつも覗くペットコーナーへ。
今もそうだけど、おとうさんもおかあさんも、「今日は柴犬いるかな」って、ペットコーナーを必ず覗きます。鼓太郎はいつも迷惑そうな顔してたけど…。

そこの一つのショーケースの中に、あたしは居ました。一緒に暮らしてくれる人が迎えに来ることを待ちながら。
一番上の段のケースだったから、いたずら小僧にガラス叩かれてびっくりすることはなかったけど、なかなか見に来た人と目が合わなかった。
目が合わないことには、「あたしを連れてって!」とアピールすることもままならない。なので寝てばかり。

その時は何か薄目を開けて下を見てた。そうしたら、なんか背の高いおじさんがあたしのことをのぞき込んできた。
少し寝ぼけてたけど、目があった。これが、あたしとおとうさんの初めての出会いです。

おとうさんは、おかあさんに「この子、可愛いよ」って言ってた、・・・、たぶん、・・・、そう言ったような気がする。
あたしは、小さく欠伸してみせ、少しだけアピール。
おかあさんも、「うん、可愛いね」と賛成。好感度。
でも、なんか下の方で、若くて神経質そうな顔した雄の柴が睨んでるー。 それが鼓太郎でした。

「でも、うちは暴れん坊の鼓太郎だけで、手を焼いてて無理だから、ごめんね」。
エッ、駄目なんですかぁ~。
「この子、8月8日生まれだって。まだ、ここに来たばっかりかなぁ。それとも、早くにお母さんから離されちゃったのかな。そうだと可哀そうだよね」。
う~ん、本当のお母さんの記憶は、ない。
たぶん、30日も経たずにお母さんから引き離されたような気がする。
「でも8月8日の末広がりの日に生まれためでたい子だから、きっと幸多い人生を送れそうだね。いい人に巡り合えるよ」。
いえいえ、世の中、そんなゲン担ぎが通用するほど甘くはないんです。
だから、あたしをここから出して連れてってください。

おとうさんもおかあさんも、あたしのこと気になったみたい。暫く立ち止まって話をしている。
「でも無理だよね、鼓太郎は他の犬を寄せ付けないから、下手したらかみ殺しちゃうかもしれない。何よりも、所詮は狭いマンション暮らしだから2柴と一緒には暮らせないだろうなぁ」。
「気性の荒い雄犬でも雌犬が来ると、少し穏やかになるって聞いたけど」とおかあさん。
「でもなぁ・・・」。
おとうさん、あたしを見ながら「大丈夫、お前だったら誰か、良い人と巡り合えるよ」と目を外した。みんな同じようなこと言って、あたしの前から離れて行っちゃう。

あたしは、ショーケースのガラス越しに、だんだん離れていくおとうさんとおかあさん、そして鼓太郎のことをずっと眺めていた。

なんだか、ここのお家があたしにはよさそう。ここのお家に行きたいな。
あたしも、混ぜてくれませんか!

売り場の角をおとうさんおかあさん鼓太郎が曲がっていく。あ、帰っちゃった・・・。何か、ちょびっと期待したので、がっかりしちゃった。がっかりして、あたしはすぐに寝ちゃいました。早くどこかのお家に落ち着いて、幸せになることを夢にみながら。

でも、ここであたしとの出会いの話はお終いではありません。
終わっていたら、あたしは今このお家にいない。


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