さんざん悩んだ去勢手術

鼓太郎2001年3月頃 子犬の表情を少し残しつつも、ほぼ成犬。去勢する?しない?タイムリミットが近づいてます。

初めて柴犬の鼓太郎を迎え入れ、早くも半年が過ぎようかという時分に、さんざん悩んだ問題がありました。

去勢手術はするべきなのか、否か?

鼓太郎を迎え入れた時は、去勢の予備知識はありませんでした。むやみに犬の繁殖を防ぐ避妊のためなのでしょうが、そんな手術があることは知りませんでした。

私が子どもの頃は(一体、何時の話?)、田舎だったこともあり、野良犬が街中を徘徊しており、時折、オス犬とメス犬がひっついている光景を目にすることもありました。そのせいか、犬と言えば大概はミックス中型犬で、純血の犬は少数だったような気がします。そうしたむやみな繁殖を防ぐために去勢手術があるわけです。

しかしわが家の場合、散歩の時を除けば、基本は室内犬。散歩の時に十分注意していれば、鼓太郎が他のワンに乗りかかることはないはずなので、避妊目的の去勢手術は不要と考えてました。

それとは別に、動物病院の先生からは、「去勢手術をすると将来の病気の予防にもなる」と勧められていたので、自分でも色々と調べてみました。しかし調べれば調べるほど、去勢のメリットとデメリットの天秤が、私の場合はどちらにも傾くことがなくて、水平状態で停まってしまいました。これは、どちらが良いのかは簡単には判断できない・・・。

しかし去勢手術をするならば、生後半年から一年程度の間に行ったほうが体への負担は少ないそうなので、いつまでも躊躇している訳にも行きません。決断しなければなりませんでした。

(ページ内インデックス)
 ・去勢の目的

 ・去勢のメリット・デメリット
 ・わが家の結論
 ・小夏がやって来た時に再び去勢手術の問題で悩む
 ・振り返ってみれば

去勢の目的

人によって言うことは違いますが、大きく次の2つです。

 ・避妊のため
 ・将来的な疾患予防のため

あくまでも個人的な見解ですが、目的はやはり避妊だと思ってます。将来的な疾患予防は、後付けの目的で、避妊手術への抵抗を少なくするため、正当化のためだと思ってます。

去勢のメリット・デメリット

一般的に言われてるメリットとしては、次のようなものでしょうか。
 ・性ホルモンに関わる問題行動(いわゆるサカリ)の抑制
 ・望まない出産の回避(避妊)
 ・性格が穏やかになる
 ・オスであれば、将来的な精巣腫瘍や前立腺肥大の予防
 ・メスであれば、将来的な乳腺腫瘍や子宮蓄膿症の予防 など

一方、デメリットとしては、次のようなことになると思います。
 ・全身麻酔による手術のリスク
 ・性ホルモン分泌がなくなり基礎代謝の低下と中性化
 ・肥満化傾向
 ・性格の変化、トラウマ など

もちろん個体差もあれば、手術次第で、生じたり回避できないこともあります。

さて、どうしたものやら。鼓太郎はどうしてほしいんだろう?

わが家の結論

結論を言ってしまえば、鼓太郎は去勢手術をしませんでした。多分に私個人の独断偏見ですが、生まれたままに自然に命を全うさせてあげたい、という思いで決めました。ヨソ様のメス犬には近づけないように、万全を期せば、去勢手術は必要ない。

可能な範囲で、緊急性がない限り、体にメスを入れることは避けたかったわけです。将来実際に罹るかどうかもわからない病気の予防であれば、それは止めようと考えました。もし、そうした病気に罹ったとしても、それも運命と鼓太郎には諦めてもらおうとその時は考えました。本当に去勢効果が高いのであれば、それは人間でも同じことじゃないか、でも人間は去勢していないじゃないかと、少し屁理屈ですが、そんな風に考えました。

鼓太郎2001年5月頃 満1才の手前。まだ体のバランスは少し取れていませんが、立派に成長。特に前足が、すでに筋肉隆々になってました。

結果的に、鼓太郎は空に昇るまでの間、この去勢がらみの疾患に罹ることはありませんでした。最後の最後だった一週間くらいの間、身動きできなくなり、物を食べれなくなり、免疫力がたぶん急速に衰えた時に、睾丸がはれ上がってしまいましたが、それ以外では何も問題なく過ごせました。他所のワンに乗りかかるというような行動もありませんでした。私と家内には、盛んにマウンテンする時期が周期的にありましたが、それは許容範囲です。ヨソ様のメス犬には、殆ど興味を示していませんでした。

ただ、若犬時代に性格がやや凶暴化して噛み癖もひどくなった時期には、思わず「去勢すれば、この性格や噛み癖も少しは収まるのかしら」と考えたこともありました。しかしそれも鼓太郎の個性がわかって、付き合い方がわかった時点で、根気よく付き合う事で問題に思えず、去勢という考えはすぐに何処かへいってしまいました。

ちなみに犬と暮らしている知人たちに聞くと(大部分が男性)、圧倒的に男性は「去勢反対」が多かったです。やっぱり、男の本能としては、去勢が嫌なようです。「だって、それは嫌でしょ、男としては」と、理屈じゃない答えばかりでしたが、同じく男の私はそれでも納得していました。

小夏がやって来た時に再び去勢手術の問題で悩む

無事去勢の危機(?)を潜り抜けた鼓太郎ですが、転機がまたやって来ます。小夏を迎え入れることにした時です。鼓太郎は、満4才。血気盛んな若犬です。柴犬の女の子も、半年過ぎ位から生殖機能が備わるとのことで、小夏を迎え入れて、どんどん子供ができたらどうしようかと、ふと心配になりました。

犬は安産のお守りにもあちこちでなっているように、多頭出産でどんどん増えます。どんどん増えたら、それは問題。去勢しないと駄目か・・・。

その一方で、鼓太郎と小夏の子供を見たい、という密かな願望もあります。しかし、悲しいかなマンション住まいなので、これ以上、柴犬の数は増やせません。マンション住まいでブリーダーやろうかと、不埒なことも考えましたが、それは鼓太郎にも小夏にも、生まれてくる子にも申し訳ない話なので、すぐに棄却です。

試しに会社で周囲の人たちに聞くと、「子供ができたら、うちで貰うよ」とあっという間にたくさん手があがりました。少なくとも一度の出産で生まれる上限以上の人が手を挙げたので、とりあえず安心して、鼓太郎と小夏の去勢は暫し見送ることにしました。

鼓太郎と小夏の子供が見れるかもしれない?ちょっと期待してしまいます。

でも、鼓太郎と小夏との間に子供ができることはありませんでした・・・。

お互いにその気はなかったようです。決して仲が悪いのではないのですが、自分から相手の匂いを嗅ぐのは嫌いじゃありませんでしたが、相手からお尻の匂いを嗅がれるのが嫌でそれ以上に進むことはありませんでした。どちらかが、しつこくするとケンカにになってました。何をどうすれば良いのかわからなかったのかもしれません。私たちも、積極的に仕掛けることなく、成り行きに任せてました。そして、いつしか時は流れ、鼓太郎も小夏も、子供を作れる年齢を過ぎていました。

振り返ってみれば

鼓太郎は空に昇るまでの15才9ヶ月の間、未去勢による体の不調を生ずることはありませんでした。現在、13才11ヶ月の小夏も同じです。たまたま、運が良かっただけかもしれません。

私は去勢を否定する気はありません。ただ自分は、選択しなかっただけです。

生まれたままに自然に命を全うさせてあげたい

そう考えて、そうしてきただけです。結果的に寿命を縮めることになっても、それは自然の理、運命として受け入れようと思っただけです。鼓太郎と小夏に聞くこともできませんので、私が勝手な想いで決めたことに過ぎません。

でも、それでよかったよね、と返事をしてくれない鼓太郎と小夏に問いかけている自分がいます。

 

どちらが良いのかはわかりませんが、一つだけ言えるのは、暮らし始めた時に、飼い主となったあなたが、考えて決めてあげるしかない、という事です。

 


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