小夏の病歴 コクシジウム症

小夏2004年10月初 ゲージに隔離されてる時間が長くて不満げな小夏

何かと手のかかる柴犬だった鼓太郎に対し、小夏はほとんど私たちの手を煩わせることなく成犬へと成長しました。しかし思い返してみると、幼犬期には通常のワクチン接種、寄生虫検査や狂犬病注射以外にも、ずいぶん頻繁に病院へ通っていました。


小夏のはじめての病歴が、コクシジウム症です。鼓太郎は未経験です。

コクシジウム症
顕微鏡でないと見えない原虫(コクシジウム)という小さな寄生虫により引き起こされます。免疫力の高い成犬の場合には、目だった症状が見られないこともありますが、免疫力の弱い幼犬の場合には、水様性の下痢、粘液や血が混じった激しい下痢をします。この下痢が続くことで、特に幼犬ほどひどい脱水症状になったり、嘔吐や食欲減退を招き、成長不良のみならず衰弱を招くこともあり、放置は厳禁です。

小夏は、わが家に来た時から食欲旺盛で、自分用のふやかしたドライフードはもとより、鼓太郎のお皿からカリカリのドライフードを隙あらば盗み食いしていました。何も食べてくれなかった幼犬時代の鼓太郎とは大違いの食欲です。

家内がよく「テレビのCMでドライフードを喜んで食べている犬が出てくるけど、あれはCMの中だけのお話だと思ってた。でも、本当にこんなにドライフードを喜んで食べる犬がいるんだ」と笑ってました。わたしも同感で、ばりばり食べる姿は頼もしくもあり、少し幸せな気分にしてくれていました。

そんな食欲旺盛な小夏ですが、わが家に来てから10日くらい経った頃でしょうか、急に食が落ちてしまいました。鼓太郎が、恒常的に食が細い柴犬だったので、こんな日も小夏にもあるだろうと様子を見ていました。でも、翌日もあまり食べませんでした。仕事から帰った私に、家内が「小夏、下痢になっちゃた」と。鼓太郎がしょっちゅう下痢してたので(お腹が弱かった)、その時はやはりこれも深刻に考えず、次の日になれば下痢も収まるだろうと、同じく様子見していました。

しかし下痢は収まりませんでした。次の日も、仕事から帰ると家内が、「下痢はやっぱり続いてる。もう、出すものないみたいで水みたいな下痢を絞り出すみたいに、頻繁に長い時間しゃがみ込んでるよ。なんか、辛そうで可哀想だよ。下痢に血が混じってるみたいに見える・・・」と言います。

さすがに能天気に構えているのはまずそうと思い、翌日に家内に病院へ連れて行くように頼みます。

翌日、帰宅すると家内が、「コクシジウム症って言う寄生虫の病気らしい」と言います。
「寄生虫は虫下ししたじゃない。何匹か、出てきたよ。その後、検査でOKになったはずだけど」。
「どうも違う種類らしい。虫下しでは、出せないらしいの。違う薬もらってきた。それと、下痢で脱水症状を起こしてるらしいので、点滴もしてもらった。明日も、直るまで点滴しなきゃだめらしい」。
「寄生虫って、色んな種類がいるんだ?家に来てから感染したのかな?」
「ううん、たぶん来る前に感染してて、来てから発症したんじゃないかって言ってた。毎日、点滴に行かないと駄目みたい。あと、鼓太郎に移る危険性があるので、小夏をゲージから出さないで隔離しなさいって言われたよ。ゲージの中もきれいにして毎日消毒だって」。
ちょっと元気のない小夏の頭を撫でながら、「そうか小夏、大変だったなぁ。良くなれば、また美味しくご飯食べれるから頑張ろう」。
「気が付かないで放置してると死んじゃうとこだったかもしれないって。幼犬は体力ないから弱っちゃうと危なかったらしいよ。早いタイミングで病院に行って正解だった」。

意外にも大変な病気らしい・・・。健康診断で問題なかったはずなのに、診断項目に入ってないのか・・・。

それから毎日、点滴と検査で家内は小夏を抱えて病院へ。歩いて3分の病院で良かったです。仕事休みの土曜日に、私もはじめて病院へ付いて行きます。小夏は、あれ、今日はおとうさんも行くんだというような顔つきで私の腕の中から無邪気に見上げます。小夏、死ぬなよー。

病院で、糞(下痢)を渡して検査してもらい、薬を出してもらって、そして点滴です。点滴の輸液パックが大きくてびっくり。この頃の小夏はまだ2キロにもなってなかったので、こんなにたくさんの輸液が、体のどこにはいるのかと心配になってしまいます。点滴針を背中に刺されるのが痛々しかったですが、点滴をしない訳にはいきません。時間が掛かるので、すぐに飽きる小夏を側についてあやします。点滴がおわると輸液がはいったせいで背中がリュックサックを背負ったように膨らんでます。この姿も痛々しい。

この背中にしょったリュックサック状(こぶのように見える)の輸液は、ゆっくりと体に吸収されていきます。しかし、吸収されていくにも時間がかかります。家に帰ってから小夏をみると、輸液のふくらみが背中から横腹の方に移動してしまっています。背中が平らになったと思ったら、今度は片側の横腹が大きく膨らんでしまっています。バランスとれないのか、よろけてます。これで大丈夫かと心配になりますが、これは問題なく、仕方ないらしいです。小さな幼犬の体に、輸液を入れるのは大変みたいです。

コクシジウム症の間、ずっとゲージに入れられ、少し元気もありませんでしたが、私たちがゲージに近づくと隙間から一生懸命に私たちの指を舐めようとします。人間への感染の危険性あるので、舐めさせてあげれないので、ダメというと詰まらなさそうにゲージのなかで蹲ってました。鼓太郎も覗きにきますが、これまた移ると大変なので、追いやります。鼓太郎もちょっと不満そう。

もう少しの辛抱だよ。元気になったら一緒に遊ぼう。

二週間くらい病院に通い、駆虫が完了したようで、便もきれいになって小夏はコクシジウム症から無事に帰還しました。


コクシジウムは早期発見と適切な処置があれば大事には至りません。でも、子犬が発する、いつもと違う事のサインを見落とすと大変です。何か元気がない、いつもと何か違うぞと思えば、病院に行き相談するのが幼犬期には大切なことのようです。それだけに、迎え入れる前に動物病院を探して選んでおくことをお勧めします。


にほんブログ村 ランキング参加中

スポンサーリンク