2000年8月13日鼓太郎がやって来た その2

(この記事は、鼓太郎と小夏の陽だまり 2015.6.23の記事を転載リライトしたものです。)

こんにちは、鼓太郎です。昨日、一度の記事で書き上げる予定だったにも関わらず、案の定、途中で書くのに力尽きたおとうさん、今日は残りの核心部分を書き上げることができるのか?

2000年8月鼓太郎

2000年8月13日、おとうさんとおかあさんは、僕のいるペットショップから二駅離れた違うペットショップへ。

ドアを開けて一歩足を踏み入れたおとうさん、「うっ!俺、無理。入れない」。
「何で?」。
「何でって?平気なの?この匂い」。
「まぁ、確かに臭いねぇ」とおかあさん。

最近のペットショップではないと思うけど、獣臭、オシッコやウンチの臭いとペットフードの匂いが混然となった何とも言い難い臭気を当時の多くのペットショップでは放っていました。もちろん、匂いのないお店もあったと思うけど。

「ちょっと待って、目も痛くなってきた。匂いが目に染みる」とおとうさん。
「じゃあ、どうするの?見ないで帰るの?」。
「いや、待て待て。外で一度空気を吸い直してくる」。

深呼吸をして気を取り直し再度入店したおとうさん。そこで目にした初めての光景。今でこそ普通にワンニャンを展示するゲージがペットショップには並んでいますが、このお店ではゲージ(それも金網のもの)が3つくらいしかありませんでした。あんまり犬ちゃんを置いてないのかな?とおとうさんは思ったそうです。

でも、なぜか床の上に段ボールが一杯並んでいます。

「何だろ、この段ボール?」。

と、そこへ店員さん。「どんな犬ちゃんおさがしですかぁ?犬種とか決めてますか?」。

「ん、柴犬とかコーギーかな。まだ決めてないけど」。

「今、ちょうど柴犬もコーギーもいますよ。可愛い子ばっかりですよ。えっと柴犬はここですね」 と、段ボールを開けます。

なんと、この当時、ペットショップでは段ボールをゲージの代用にしていました。今でもそういうお店あるかもしれないけど。おとうさんは、段ボールの中にはいろんな荷物が入ってると思ってたので、いたくショックを受けたそうです。
荷物が入ってるはずの段ボール箱から生き物が出てくることが、理解を越えていたようでした。

「なんかこの柴犬、妙に大きいような気がするんだけど」。
「柴犬の子は、みんなこれくらいの大きさですよ」。
「この子は生後何日くらいなんですか」。
「40日くらいですね」。

また臭気で目がちかちかしてきたおとうさんは、「はぁ、そうですか」と気のない返事。段ボール箱の中の柴ちゃんも、そんなおとうさんを不審げな目で見上げてます。

「抱っこしてみますか」。
「いや、もうちょっと考えます」。
おとうさん、その子が嫌いだったんじゃなくて、予想以上に大きかったのと、それ以上に店の中にこれ以上いたくなかったせいか、そそくさと店の外へ。

「もっとちゃんと見ないとー」とおかあさん。
「見れる状態じゃないだろう。よくあの臭い平気だな。それは別にして、うーん、かなり大きかったなぁ。個体差あるんだろうけど、あの子はかなりでかくなって、マンションの中で目立ち過ぎちゃうんじゃないか?」。
「うん、少し大きかったね。でどうする?調べて来たもう一軒のお店にも行ってみる?」。
「少し休憩してから行こう。車はここの駅の駐車場に止めて、電車で行こう。それにしても、すさまじい臭いだなぁ。気持ち悪くなっちゃったよ」。

喫茶店で暫しコーヒーブレイク。そして各駅停車の電車を待ち、そこから10分。
おとうさんとおかあさんが、いよいよ僕のいるペットショップに到着です。


でも、僕の居たペットショップもかなりの臭気だったんですよね。昔のペットショップって、大体、あんなものなんじゃないのかな。その後のペットブームの頃から、何処のお店も綺麗になって、少なくともお客さんの側にはあんまり臭いが漏れなくなったように思います。

ドアを開けたおとうさん、やっぱりお店の中に入れません。後ずさりしてます。
おかあさんに向かって「良い子がいるか、見て来てくれないか」とか言ってます。
「自分で見ないと駄目でしょう」っておかあさんに言われて、それもそうだとばかりに、大きな深呼吸をしていざ入店です。

このお店でもすぐに店員さんが「どんな犬種お探しですか」と聞いてくる。「コーギーとか・・・」おかあさんが言いかけると「コーギーなら、ここに二匹いますよ」と段ボール箱のふたを開ける。このお店も段ボールがたくさん床の上に並んでます。
店員さんあけた一つの段ボールの中に、二匹のコーギーが仲良く寄り添って寝ています。

「ん、この子たち兄弟ですか?」。
「そうですよ」。
おとうさんとおかあさん、こそこそと話。
「二匹なんてとても飼えないけど、一緒の兄弟(姉妹?)を引き離すのは、何かかわいそうだよね」。
「柴犬はいますか」。
「柴犬はこっちです」と別の段ボールのふたを開けます。なんか、その柴ちゃん爆睡中。僕じゃないです。
「うーん、やっぱり前の店と同じくらいの大きさだなぁ」。
「外飼いですか、室内飼いですか」と店員さんが聞いてくる。
「マンションなので、室内飼いです」とおかあさん。

店員さん、なぜか一瞬間が合って「・・・、もちろん柴犬も室内で飼えますよ。(小さい声で)、ちょっと抜け毛が多いけど。(普通の声の大きさで)大丈夫ですよ。コーギーと柴犬とどっちがお好きなんですか」。
その時、おとうさんもおかあさんも柴犬の換毛期の毛の量のことなど知る由もなかった・・・。

おとうさんもおかあさんも、コーギーが兄弟だったこともあり、柴犬の方ばかり見ていた。
そしたら、店員さんが「奥にも柴犬はもう一匹いますけど・・・。ご覧になりますか」。
店員さん的には、この柴犬がお勧めで、奥の柴犬はあんまりお勧めじゃないような言い方だったらしい。

せっかくだからと、おとうさんおかあさん店の奥へ。店先にも増して、店の奥の倉庫は暗くて、臭気が一段と強まります。そこにたくさんのゲージが4段重ねくらいで沢山積みあがってます。どのゲージも古びて錆びています。
おとうさん、いよいよたじたじになって、また後ずさりしてる。
それでも、頑張って入ってきました。

僕はここに居ました!
これが、僕とおとうさんおかあさんとの初めての出会いの時です!

鼓太郎2000年8月 ゲージの外に出してもらって大暴れ。私の服をガジガジと引っ張る。

・・・ああ、やっぱり二回で完結しなかった。でも、次回、必ず感動のフィナーレです。


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